和田典子『女生徒の進路』(岩波ジュニア新書 1981)を半分弱ほど読む。
本日読んだ小倉千加子さんの『結婚の条件』の補足資料のつもりで手に取ってみた。
ただ、小倉さんの現代的な丁寧な語り口とは雰囲気を大きく異にする。商店街の中にある古本屋の本棚の上で埃をかぶっている岩波講座に出てくるような内容であった。参考文献にも「赤旗」や「新婦人しんぶん」が挙げられ、共産党の色が濃くなっている。また、学生時代に『社会発展史入門』や『空想から科学へ』を読んで、科学的社会主義を学ぶサークルに入って自分の専門を決めることができた女子学生の例や、朝鮮戦争の頃の組合活動で知り合った男性との自由恋愛、細井和喜蔵『女工哀史』や山本茂実『あゝ野麦峠』などの過酷な労働条件からの改善運動などの話が紹介されている。
しかし、果たしてこんな堅苦しい内容が、1980年代の中高生に受け入れられたのであろうか。疑問を禁じ得ない。1950年代の間違いではないのか。
『女生徒の進路』
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