バイシクルクラブ編集部編著『自転車用語の基礎知識』(枻出版 2003)を読む。
雑誌「バイシクルクラブ」を発行する編集部が、男性向けのくすっとすつようなユーモアを交えて、取っ付きにくい自転車用語について分りやすい解説が加えている。
辞書代わりに手元に置いておくというよりも、さらっと楽しく読み流すような内容である。改訂版の発行を願う。
「読書」カテゴリーアーカイブ
『耳なし芳一からの手紙』
内田康夫『耳なし芳一からの手紙』(角川文庫 1992)を読む。
太平洋戦争時の仲間との間のトラブルに起因する事件を浅見光彦が鮮やかに解決する事件簿である。
下関の風景描写は良かったが、小説作品としては破綻していた。事件のトリックも強引で、いくつかの伏線も放ったらかしのまま、無理やり戦前の事件に結びつけて話が尻切れトンボのままに終了するという歯切れの悪い作品であった。
『豚の報い』
第111回芥川賞受賞作、又吉栄喜『豚の報い』(文藝春秋)を半分ほど読む。
表題作の他、1編が収録されている。沖縄では「神の島」とも言われる久高島をモデルとした真謝島を舞台に、物語が繰り広げられる。
もう少し落ち着いた生活をしていれば、じっくりと離島での人間関係を味わうことができたのだが、なにぶん出張続きでバタバタしており、読書に勤しむ余裕がなかった。
『江田島殺人事件』
内田康夫『江田島殺人事件』(祥伝社ノンポシェット 1997)を読む。
1988年に講談社から刊行された本の文庫化である。東郷平八郎の佩剣や海軍兵学校時代の訓戒など史実を踏まえつつ、軍拡に走る軍需産業に絡む殺人事件を、お馴染みの名探偵浅見光彦がさらっと解決する。ミステリーとしてはいまいちであったが、潔く命を捧げ軍神になることを良しとする風潮が蔓延っていた軍隊時代の弊害について理解できた。
五省(海軍兵学校で用いられた訓戒)
一、至誠に悖る勿かりしか
真心に反する点はなかったか
一、言行に恥づる勿かりしか
言行不一致な点はなかったか
一、気力に缺くる勿かりしか
精神力は十分であったか
一、努力に憾み勿かりしか
十分に努力したか
一、不精に亘る勿かりしか
最後まで十分に取り組んだか
『「青森・東通」と原子力との共栄
渡部行『「青森・東通」と原子力との共栄:世界一の原子力平和利用センターの出現』(東洋経済新報社 2007)を読む。
産経新聞や日本工業新聞で原子力発電の提灯記事を書き連ねてきた著者が、青森県内の東通原発や六ヶ所原子燃料サイクル施設、むつ市使用済燃料中間貯蔵施設、大間原発を礼賛するという内容である。電力会社の会長や自治体の首長、経産省大臣などのインタビュー記事もたくさんあり、際限ない漁業補償費の積み上げや、自治体の祭りの手伝いや無形文化財の保護まで社員が駆り出される実態、2000年代以降の地球温暖化防止の流れの中で息を吹き返した原発政策など、原発を誘致する際の莫大な補助金の流れの一端が理解できた。
現在、むつ市の中間貯蔵施設以外は全てストップしたままであり、原発建設によって生活を破壊された人たちへの補償も滞っている。官民一体となった大掛かりなプロジェクトは一度動き出すと誰にも止められず、誰も責任を取らないものなのである。
先日自民党幹事長のポストを得た二階俊博氏であるが、経済産業大臣当時、自信満々に原子力政策の正しさを主張し、国策としての原子力を強制していくという発言を行っている。3.11当時は民主党政権だったので、直接自民党の誰々を追求するという報道は少なかったが、当時の主管大臣としての責任はどこへ行ったのだろうか。
