大林辰蔵監修『日本の宇宙科学:1952→2001』(東京書籍 1986)をパラパラと読む。
敗戦後一時期に中断したが、1955年に東大生産技術研究所が全長わずか23センチメートルのペンシルロケット実験を成功させたことを皮切りに、日本のロケット開発は始まっていく。そして、紆余曲折、試行錯誤を経て、日本が本格的に宇宙研究・進出に乗りだし、本書が刊行された1986年、ちょうど筑波万博が開催されていた当時の、太陽光発電衛星やスペースコロニーなどの壮大な計画まで話が進んでいく。
「読書」カテゴリーアーカイブ
『大卒無業』
矢下茂雄『大卒無業:就職の壁を突破する本』(文藝春秋 2006)を読む。
リクルートで長年学生の就職サポートを務めてきた著者が、これから就活を迎える大学生の子を持つ父親に向けた就活のイロハと、子どもへの向き合い方や声の掛け方などについて、親身になって語る。2000年代半ばに大学生の子を持つ親というと団塊かそれより少し下の世代にあたり、好景気の当時では考えられない「就活」という言葉や、就職スケジュールから丁寧に説明されている。
また、子どもにアドバイスできるように、エントリーシートのポイントや、面接で試験官の印象に残る答え方などについても、「面達」張りに分かりやすくまとめられている。公務員試験の種別や、業界や業種別に仕事内容や向き不向き、今後の成長見込みなどが整理されており、できれば大学生の時に読みたかった本である。
『パラサイト社会のゆくえ』
山田昌弘『パラサイト社会のゆくえ:データで読み解く日本の家族』(ちくま新書 2004)を読む。
社会学の中心テーマである家族関係や労働、学校、年金などについてズバリ切り込んでいく。特に1998年という年が、日本社会が不安定化した節目の年だという意見が面白かった。数値例を挙げると、自殺者や青少年の凶悪犯罪、強制わいせつ認知件数、セクシャル・ハラスメント相談件数、児童虐待相談処理件数、「できちゃった婚」、「社会的ひきこもり」、「不登校」、子どもの勉強時間、フリーター就業人口などの数値が、1998年前後に軒並み望ましくない方向に振れていることが分かる。将来に対する希望や夢が持てなくなった日本社会に変貌した転換点が1998年であるという結論は、実感を持って理解できるところである。
『スケッチ 全国町並み見学』
片寄俊秀文・絵『スケッチ 全国町並み見学』(岩波ジュニア新書 1989)をパラパラと読んでみた。
著者は、日本初の大規模ニュータウンである千里ニュータウンの設計者であり、長崎総合科学大学教授時代には、閉山直前の軍艦島の人たちの暮らしを調査した研究者である。その著者が、全国に点在する明治・大正時代の建物や景観を、手書きのスケッチと合わせて紹介する。
柳川や倉敷、川越などの定番どころだけでなく、美々津や足助、安中などのあまり有名ではないが歴史ある町も紹介されている。また、すでに消えてしまった佃島の路地や代官山の同潤会アパートなどの風景にも触れている。
『蒸気機関車』
万有ガイドシリーズ『蒸気機関車:日本編』(小学館 1981)をパラパラと読む。
明治維新から第二次世界大戦まで、日本の貨物と旅客輸送の根幹を担った160余の蒸気機関車が丁寧に解説されている事典である。1871年製造の日本初の第1号機関車の150型に始まり、1948年製造C62型で新規設計機関車は幕を閉じる。それ以降、車両の改造が行われるが、それも1959年のD61型で終わりを告げる。
石炭火力を用いてシリンダー内のピストンを動かし、それによって生じた反復エネルギーを歯車の組み合わせで車輪の回転まで伝えていくという、武骨な構造を持つ乗り物なので、外観もゴツい。ただし、冷却のためかシリンダーのパイプが表に出ており、蒸気の流れなどを想像することができるので楽しい。
