読書」カテゴリーアーカイブ

『大和の塔』

毎日新聞奈良支局編『大和の塔』(創元社 1973)をパラパラと読む。
古都奈良にある塔といっても、興福寺や法隆寺の五重塔や薬師寺の東塔のような有名なものはわずかで、大半が石塔の紹介である。石塔(仏塔)の起源は古代インドに遡り、釈迦の遺骨を象徴する仏舎利を収めた墳墓を作り、その上に墓標を立てたのがはじまりとされる。これがインド語のストゥーパで、中国で「卒塔婆」と音訳され、塔婆となり、さらに塔と簡略化されたという。こうした言葉は「積み重ねる」という意味に使われ、墳墓の標識となるものを、いくつも「積み重ねた」訳だわけだ。
石塔の紹介がこれでもかと続くので、、眺めるのも飽きてしまった

『川を楽しむ』

財団法人リバーフロント整備センター編『川を楽しむ:水辺の魅力再発見』(技法堂出版 1991)をパラパラと読む。
国土交通省が所管していた団体が発行した本で、川辺の魅力を伝えるというよりも、当財団法人が扱う分野の紹介のような内容で、読者に何も伝わってこない。

『雪の話・氷の話』

木下誠一『雪の話・氷の話』(丸善 1984)をパラパラと読む。
タイトルそのまま雪と氷の話である。海氷を除く地球上に存在する氷の90%が南極に、9%がグリーンランドにある。南極の氷を日本全土だけに蔽ったとしたら、地上80キロメートルの高さに達する膨大なものである。また、永久凍土は地球上の全陸地の14%を占める広大なものである。

『ウィシュマさんを知っていますか?』

眞野明美『ウィシュマさんを知っていますか?:名古屋入管収容場から届いた手紙』(風媒社 2021)を読む。
書評を担当されたフォトジャーナリストの安田菜津紀さんの文章が良い。そのまま引用したい。

 入管で亡くなったスリランカ人女性・ウィシュマさんが遺した手紙を1冊に!
名古屋出入国在留管理局=通称「名古屋入管」。〈日本人〉にはおよそ縁のないこの施設の4階には「収容場」があり、2021年3月6日、スリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんがここで命を落としました。いまその死の真相をめぐり、日本の外国人管理政策そのものに疑念が突きつけられています。
ウィシュマさんは日本語を学ぶために来日した留学生でした。ところが当時の交際相手のDVのため日本語学校に通えなくなり、在留資格を失いました。ほとんど着の身着のままの状態で、助けを求めて警察に駆け込みますが、「不法滞在者」として入管に送致されてしまいます。DV被害者をシェルターではなく入管に引き渡した警察、DVの事実を知りながら収容した入管庁は、ともに法令的にも人道上でも大きな過ちを犯したのです。
本書では、仮放免後にウィシュマさんの身元引受人となるはずだった著者・眞野明美さん宛に書かれたウィシュマさんの手紙を全て公開しました。収容場の中でウィシュマさんは眞野さんとの平穏な生活を夢み、未来への希望を抱いていました。しかし1月28日夜、吐血。収容場の過酷な環境の中でみるみる衰弱してしまいます。2月2日の手紙には、眞野さんに助けを求める悲痛な叫びが書きつけられていました。
「彼らは私を病院に連れて行こうとしません。私は彼らに監禁されているからです。私は回復したい。……すべての食物や水も吐いてしまう。どうしていいかわからない。今すぐに私を助けてください。」
眞野さんたち支援者の必死の抗議もむなしく、適切な医療を受けられなかったウィシュマさんは1ヶ月後に亡くなりました。日本の入管施設で収容者が死亡するのは1997年以降24人にのぼります。
なぜ入管で人間が死なねばならないのか。不法滞在とは死の報いを受けなければならない犯罪なのか。国連人権委員会に「国際法違反」と指摘される日本の無司法・無期限の収容体制こそ裁かれるべき犯罪行為ではないのか──。ウィシュマさんたちの死が問いかけてきます。私たちのことを知ってください、と。

『地層の調べ方』

藤本広治『地層の調べ方』(ニュー・サイエンス社 1980)をパラパラと読む。
執筆当時小学校の教諭だった著者が、自身で撮影した写真をもちいながら、丁寧に岩石の種類や地層のでき方などを説明する。写真が暗くて見にくかったが、専門用語も少なく理解しやすい。
地層の形成に氷河期の海水面の沈降の影響が大きいと初めて知った。