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『東京どこに住む?』

速水健朗『東京どこに住む?:所得格差と人生格差』(朝日新書 2016)を読む。
東京23区といっても東部と西部で分断されており、中央線や東急線沿線の皇居の西側と下町地区の東側を比べると、現在でも「西高東低」の意識が強いことがうかがわれる。また、一口に東京23区というが、千代田区、渋谷区、港区など、皇居から5キロ圏内の都心部と、足立区や葛飾区、練馬区などの「都心郊外」では人口動態が大きく異なっている。

つい20年くらい前まではドーナツ化現象という言葉に表されるように、首都圏郊外がいわゆる東京を支えて来たが、この10数年、飲食店やICT産業を中心に職住近接の都市開発が進んでいる。

著者も紹介しているが、東京都心だけでなく、地方の中心都市など、30万人規模で半径5キロ圏内の都市生活が車を使わなくても、人々の関係が構築でき、環境にも良いという都市論となっている。大変な良書であった。

『やさしい雨』

牧村僚『やさしい雨』(徳間文庫 2007)を半分ほど読む。
「小説宝石」や「小説新潮」などの雑誌に掲載された短編官能小説である。
パターンがどれも似通っており、数編読んだだけで飽きてしまった。

『飛びだせ宇宙』

的川泰宣『飛びだせ宇宙』(岩波ジュニア新書 1992)をパラパラと読む。
著者はペンシルロケットを開発し「日本の宇宙開発・ロケット開発の父」と呼ばれた糸川英夫研究室の卒業生であり、長く東京大学宇宙航空研究所で人工衛星の開発に携わってきた研究者である。特に重力に逆らって飛び立つロケットの歴史や理論について分かりやすく述べられている。

『未来力養成教室』

日本SF作家クラブ編『未来力養成教室』(岩波ジュニア新書 2013)をパラパラと読む。
新井素子さんや荒俣宏氏、夢枕獏氏など9名のSF作家が、自身の経歴を交えて、SFが描く社会を語るという内容である。あまりに雑駁なテーマで、統一感もなく、ただ作家が思いのままに書き散らした文章がまとめられている。

『天狗の落し文』

筒井康隆『天狗の落し文』(新潮文庫 2001)をパラパラと読む。
主に90年代に著者が「小説新潮」に不定期に連載していた小説の断片が集められている。箴言や下ネタ、不条理、言葉遊びなど、著者のマルチな文才が伺われる作品集となっている。
印象に残ったものを引用してみたい。

学んだことはいったん忘れること。
よく、学んだことを口にくわえたままの人がいる。
本人の資質やルサンチマンは低いレベルにとどまったまま。

若い時は前頭部が痒くなる。思考部位を使っているからだ。歳をとると後頭部が痒くなる。記憶部位を使っているからである。