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『みんな地球に生きるひと』

あぐねす・チャン『みんな地球に生きるひと:出会い・わかれ・再見』(岩波ジュニア新書 1987)を読む。
昔読んだことあるなと思いながらページを繰った。香港出身のため、キリスト教の教えを受け、日本やカナダへも自由に留学ができ、中国国内や米国にも出向くことができていた。また、中国や米国に対して自由に発言ができていた。そうした自由な香港がなくなったという歴史の流れを感じる一冊であった。

『卓球・勉強・卓球』

荻村伊智朗『卓球・勉強・卓球』(岩波ジュニア新書 1986)を読む。
著者は日本代表として世界卓球選手権で計12個の金メダルを獲得し、日本卓球界の黄金期を代表する選手として活躍し、第3代国際卓球連盟会長も務めた卓球界最大の功労者である。

府立十中から都立西校に移行した一期生であったため、卓球部を創設するところから話が始まる。1948年の敗戦直後で、体育館に屋根がないので雨が降ればザーザー水浸しになるところであったにも関わらず、校長と掛け合って部活を創設する。また、選手になってからも日本を出発してから85時間ぐらいしてウォーミングアップなしに試合をした経験など、およそ現在では考えられないエピソードが満載である。

著者は1960年代に、中国・周恩来総理の招きで、中国の卓球のコーチを引き受けることになる。しかし、当時は中国の漢民族のレベルの高い家庭の婦人の間には纒足の習慣が残っており、女性のスポーツはあまり普及していなかった。そうした旧弊的な文化とも付き合いながら著者は卓球を熱心に指導していく。

また、面白い話として、1960年代のオリンピックには台湾が中華民国として出場していたので、中国は出場することが許されていなかった。Wikipediaで調べたところ、中国のオリンピック参加は1980年以降である。そんな状況ではあるが、たまたま卓球は台湾が加盟せず、中国が加盟していた唯一の国際競技団体であったため、中国政府も卓球を通じた外交を展開していたというのだ。歴史の裏が垣間見えた気がした。

『灰色の巨人』

江戸川乱歩『灰色の巨人』(ポプラ社 1970)をパラパラと読む。
宝石店での盗難やサーカスでの悲劇、アドバルーンでの逃亡を経て、怪人二十面相ですら気づかないほどの明智小五郎の変装で幕を閉じる。さすがにもう飽きた。

『電人M』

江戸川乱歩『電人M』(ポプラ社 1964)を読む。
床全体がモーターで上がったり下がったりして、中に入った人が消えたり、閉じ込められたりする明智小五郎シリーズ定番の大仕掛けが登場する。怪人二十面相シリーズなのでトリックや変装だらけで、途中で飽きてくる。久しぶりにポケット小僧が登場した。

『透明怪人』

江戸川乱歩『透明怪人』(ポプラ社 1964)を読む。
1951年、月刊娯楽雑誌「少年」に連載された小説で、今は聞き慣れない単語が登場する。「牛肉屋」「洋服地」「ルンペン」「焼けビル」「兵営のあと」など、高度経済成長ともに消えていった言葉である。

怪人二十面相シリーズなので、変装とトリックだらけで読後感が悪い。タイトルにある通り透明な人間が登場したかと思えば、それらは全てトリックか演技か虚言であり、最後は明智小五郎本人と替え玉と怪人二十面相が化けた明智小五郎の3人が一堂に会する。家族ですら見分けられないほどの変装っぷりはミステリーとしては邪道である。