松本哲也『空白』(幻冬社 2004)をパラパラと読む。
児童養護施設で育ち、シンナーやら暴走族、極道の世界に踏み込みつつ、音楽を支えにしてきた著者が自身の半生を語る。音楽CDシングルも付録されている。再生できる機器がなかったので、Youtubeで聞いてみた。パソコンで聞くよりも実際に生で聞いてみたい曲だった。
「読書」カテゴリーアーカイブ
『怪奇四十面相』
江戸川乱歩『怪奇四十面相』(ポプラ社 1964)をパラパラと読む。
今は使われなくなった言葉「さるぐつわ」「手旗信号」が登場した。犯人の四十面相が小林少年すら気がつかないほど巧みに明智小五郎に変装する場面が登場するが、そんなトリックまで登場したら、ミステリー要素は微塵もなくなってしまう。
『教育』
遠野遥『教育』(河出書房新社 2022)を読む。
著者は2020年にデビュー2作目の『破局』で第163回芥川龍之介賞を受賞した新進気鋭の若手作家である。今作は3作目にあたり、第43回野間文芸新人賞候補作となっている。
受賞歴は華やかだが、世間から隔離されたおかしな教育方針や倫理観に支配されている学校を描いた今作はつまらなかった。映画化もされた『冷静と情熱のあいだ』で知られる辻仁成の初期作に似ている。語り手である「私」の正体が不明なまま、よく分からない物語が並行して進んでいく。コロナで隔絶された世界のメタファーなのか。
『宇宙怪人』
江戸川乱歩『宇宙怪人』(ポプラ社 1964)をパラパラと読む。
1953年に月刊娯楽雑誌「少年」に連載された話である。伝書鳩の悪用や着色の漫画映画を見に行くシーンなど、テレビやネットのない時代の雰囲気が伝わってくる。
『サーカスの怪人』
江戸川乱歩『サーカスの怪人』(ポプラ社 1964)をパラパラと読む。
怪人二十面相が犯人で、煙のように消えたり、空中を飛ぶように移動したり、明智探偵や小林少年を翻弄し、最後は「明智先生、ばんざあい! 明智大探偵、ばんざあい!」の合唱でフィナーレを迎える。定番中の定番作品である。
考えてみれば、この少年探偵団シリーズは、時折挿絵が入り、ふりがなも付されるなど元祖ライトノベルではないか。
