西原理恵子・佐藤優『とりあたま帝国:右も左も大集合!編』(新潮社 2013)を読む。
2012年初頭から2013年半ばまで「週刊新潮」に連載されたコラムがまとめられている。本日も佐藤優氏のコラムだけを読んだ。金正恩や朴槿恵大統領の就任や安倍晋三再登板などの大きなニュースだけでなく、うなぎ暴騰や熟女ブーム、牛生レバー禁止などの小さなニュースに対しても、佐藤氏は鋭いコメントを加える。ただし、北方領土交渉の進展やシリアとロシアの関係構築など、予想が外れているものも多い。
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『とりあたまニュース』
西原理恵子・佐藤優『とりあたまニュース:」最強コンビ結成!編』(新潮社 2011)のコラムのみを読む。
昨日読んだ本の前のシリーズである。2009年半ばから2010年半ばに掛けてのニュースに一言申すという流れのコラムである。その中でオバマ元大統領に関する話が興味深かった。引用してみたい。
オバマ大統領は、白人と黒人、富裕者と貧困者、ゲイとストレート、民主党支持者と共和党支持者のすべてを代表する米国国家の代表であると強調する。また、米国のことを真剣に考え、行動する者がわれわれの同胞であるとオバマ氏は繰り返し述べている。
国内における差異を、国民を動員することによって解消するという動きは、20世紀初頭のイタリアにもあった。ベニト・ムッソリーニ総帥が展開したファッショ運動とオバマ大統領が展開している動員型政治は親和的だ。ヒトラーのナチズムはアーリア人種が優秀だという荒唐無稽な人種神話に基づいていた。これに対してムッソリーニのファシズムは、共産主義革命を阻止するとともに、資本主義が生み出す失業、貧困を解消しようとする運動だった。
オバマ・ブームとともに米国に新たなファシズムが台頭することを筆者は危惧する。
『とりあたまJAPAN』
西原理恵子・佐藤優『とりあたまJAPAN:日はまた昇る!編』(新潮社 2012)を読む。
西原さんの漫画は読みきれず、佐藤氏のコラムだけ読んだ。「週刊新潮」に連載されていたコラムで、石原都知事再選や斎藤佑樹投手のプロ入り、オリンパス倒産、子役ブーム、オウム裁判終結など、その時々の政治や経済、文化、スポーツなどのニュースに、佐藤氏が辛口の意見や明確な評価を下している。
右寄りな週刊新潮の立場に迎合したのであろうか、国家主義や中国不信、共産主義批判といったプチ右翼的な言説が目立つ。
『星座12ヶ月』
冨田弘一郎『星座12ヶ月』(岩波ジュニア新書 1980)を手に取ってみた。
ギリシャ神話と科学的な話が同じ章の中で混在するので、とにかく読みにくい本だった。
パラパラ読みすらできず、途中で放棄。
『はじめての和楽器
石川憲弘編著『はじめての和楽器』(岩波ジュニア新書 2003)を読む。
箏演奏家の著者に加えて、尺八、三味線、打楽器などの演奏家がそれぞれ和楽器との出会いや特徴、音の出し方の簡単などを紹介する。
琴と箏は元々別物だということを初めて知った。「琴」はスチールギターのように、一本の絃で多くの高温を出すことのできる楽器である。一方、「箏」は基本的に一絃一音なので、十三絃や二十絃などの種類が存在する。
尺八は昔の日本の長さの単位で「一尺八寸」だったので、真ん中の二文字をとって「尺八」となった説が有力である。
和太鼓演奏の基本姿勢に関する説明が興味深かった。そのまま空手や拳法の構えと全く同じである。重心や呼吸、八方目なども網羅されている。すごい発見だった。
- 軽くあごを引き、背筋をまっすぐ伸ばします。操り人形のように、頭のてっぺん(つむじ)が、糸で上に引っ張られるような感じで立ってください。
- 腹や肩の力みがないよう、頭の上のほうを意識しながら、軽く全身の力を抜きます。ただし、これは次の動作へすばやく移るための態勢ですので、ダラッとしてはいけません。意識は「シャープ」、身体は「リラックス」。
- 重心はおへその下(丹田)に置くようなつもりで、ゆったりと腹式呼吸をします。
- 目線は、前方正面の一点を見すえます。目は動かしません。黒目の動きや方向は、2,000人くらい入る大きなホールでも、観客席からはっきりわかり、目立つものです。
