石川憲弘編著『はじめての和楽器』(岩波ジュニア新書 2003)を読む。
箏演奏家の著者に加えて、尺八、三味線、打楽器などの演奏家がそれぞれ和楽器との出会いや特徴、音の出し方の簡単などを紹介する。
琴と箏は元々別物だということを初めて知った。「琴」はスチールギターのように、一本の絃で多くの高温を出すことのできる楽器である。一方、「箏」は基本的に一絃一音なので、十三絃や二十絃などの種類が存在する。
尺八は昔の日本の長さの単位で「一尺八寸」だったので、真ん中の二文字をとって「尺八」となった説が有力である。
和太鼓演奏の基本姿勢に関する説明が興味深かった。そのまま空手や拳法の構えと全く同じである。重心や呼吸、八方目なども網羅されている。すごい発見だった。
- 軽くあごを引き、背筋をまっすぐ伸ばします。操り人形のように、頭のてっぺん(つむじ)が、糸で上に引っ張られるような感じで立ってください。
- 腹や肩の力みがないよう、頭の上のほうを意識しながら、軽く全身の力を抜きます。ただし、これは次の動作へすばやく移るための態勢ですので、ダラッとしてはいけません。意識は「シャープ」、身体は「リラックス」。
- 重心はおへその下(丹田)に置くようなつもりで、ゆったりと腹式呼吸をします。
- 目線は、前方正面の一点を見すえます。目は動かしません。黒目の動きや方向は、2,000人くらい入る大きなホールでも、観客席からはっきりわかり、目立つものです。