地理」カテゴリーアーカイブ

「放射性廃棄物 廃炉で16万トン」

本日の東京新聞朝刊に、廃炉が決まった原発の放射性廃棄物が合計で16万トンに及ぶとの記事が掲載されていた。知っての通り、放射性廃棄物は今後10万年にわたって、人体に有害な放射線を排出し続けるやっかいな代物である。これまで日本では、使用済みの燃料からプルトニウムを取り出して作られる「MOX燃料」を再利用することで、半永久的な燃料リサイクルの仕組みを作ると喧伝してきた。しかし、そのリサイクルの要であった高速増殖炉「もんじゅ」は1回も運転できないまま廃炉が決定している。つまり、見切り発車で物事を進めた結果、処分場所がないにも関わらず、どんどん核のゴミを作り続けてきたのだ。

先日の東日本大震災の余震の大きさで分かるが、日本全国、津々浦々地震と無縁の地域は無いのが現状である。一方で、授業中に触れた安定陸塊は数千万年レベルで地震が発生しないことで知られる。日本はこれまでもフランスに核のゴミを輸出していたが、それも現在は止められている。現在の核のゴミは安定陸塊のど真ん中に保管をお願いするしか方法はないのだが、それまた問題が噴出してしまう。

「カタルーニャ議会選 独立派の維持に注目」

本日の東京新聞朝刊に、スペイン北東部のカタルーニャ自治州の州議会選挙に関する記事が掲載されていた。州都バルセロナを中心とするカタルーニャは756万人の人口を数え、4694万人のスペイン全体の16%に過ぎないが、経済的にはスペインのGDPの20%を占め、貿易でもスペイン経済の牽引役を担っている。また言語や民族的には、スペインとフランス、イタリア3国の中間に位置する。ちなみにカタルーニャ語を公用語とする国は、スペインとフランスの国境となっているピレネー山脈に位置するアンドラ公国がある。

私は「鶏口牛後」という諺が好きです。中国の戦国時代の言葉で、「大きな組織の末端ではなく、小さな組織のトップでいなさい」という意味です。カタルーニャ自治州政府としては、スペインの国内で燻っているよりは、独立してEUの一員としてやっていく方が良いであろう。ただ、EUという自由貿易体制の域内で、経済的に潤っている地域が独立するという動きが広がってしまうのはどうだろうか。

「中国 石炭火力新設ラッシュ」

本日の東京新聞朝刊に、中国火力発電所の新設が相次いでいるとの記事が掲載されていた。中国は古期造山帯に位置しており、石炭の埋蔵量はアメリカやロシア、オーストラリアを抑えて世界第1位となっている。石炭は主にシダ植物や昆虫、両生類が大量に現れた古生代の頃の地層から産出される。そのため、石炭は大量の二酸化炭素や窒素化合物、硫黄化合物を含んでいる。地球温暖化や大気汚染という観点から、石炭火力発電は一国だけの判断に委ねてよいものではない。気候変動に関する国際的枠組みであるパリ協定の指針に照らしたものでなくてはならない。

中国のみ取り上げられているが、日本でも160を超える石炭火力発電所がフル稼働で動いており、さらに10以上の火力発電所の建設・計画が進んでいる。もちろん中国に比べれば微々たるものだが、中国を一方的に批判する資格はない。

石炭火力発電を廃止して一気に再生可能エネルギーという議論は、またぞろ原発再稼働という意見が噴出してしまう。再生可能エネルギーが安定的に供給されるまでは、短中期的に天然ガスの活用を考えるべきである。でも、天然ガスは石炭に比べ偏在性が強いので、国際政治の動向に左右されやすいという欠陥がある。

「地形が左右 最南端スキー場も」

本日の授業で紹介した、東京新聞の記事です。
解説にあるように、湿った空気が山地の斜面を上昇するとき降る雨(雪)のことを、地理Bでは「地形性降雨」と言います。世界ではマダガスカル島の東部やインド北部などで見られます。

「国内最古級の哺乳類化石発見」

本日の東京新聞夕刊より。
記事によると、福井県の約1億2700万年前の地層からネズミほどの大きさの哺乳類の化石が見つかったとのこと。約2億5000万年前から6500万年前の中世代(三畳紀、ジュラ紀、白亜紀)は爬虫類、とりわけ恐竜が地球上を謳歌した時代である。大型の草食恐竜や獰猛な肉食恐竜が主役だった白亜紀に、哺乳類はひっそりと進化を遂げていた。そして、約6500万年前にメキシコ・ユカタン半島に約10〜15キロほどの隕石が衝突し、地球生物の75%が死滅するという大惨事の後、気候も大きく変動し、哺乳類を中心とした恒温動物だけが生き残り、進化を続けていくことになる。「ドラえもん」風に言えば、今回発見された哺乳類の化石は、我々人類の祖先であった可能性もある。