本日の東京新聞朝刊に、中国火力発電所の新設が相次いでいるとの記事が掲載されていた。中国は古期造山帯に位置しており、石炭の埋蔵量はアメリカやロシア、オーストラリアを抑えて世界第1位となっている。石炭は主にシダ植物や昆虫、両生類が大量に現れた古生代の頃の地層から産出される。そのため、石炭は大量の二酸化炭素や窒素化合物、硫黄化合物を含んでいる。地球温暖化や大気汚染という観点から、石炭火力発電は一国だけの判断に委ねてよいものではない。気候変動に関する国際的枠組みであるパリ協定の指針に照らしたものでなくてはならない。
中国のみ取り上げられているが、日本でも160を超える石炭火力発電所がフル稼働で動いており、さらに10以上の火力発電所の建設・計画が進んでいる。もちろん中国に比べれば微々たるものだが、中国を一方的に批判する資格はない。
石炭火力発電を廃止して一気に再生可能エネルギーという議論は、またぞろ原発再稼働という意見が噴出してしまう。再生可能エネルギーが安定的に供給されるまでは、短中期的に天然ガスの活用を考えるべきである。でも、天然ガスは石炭に比べ偏在性が強いので、国際政治の動向に左右されやすいという欠陥がある。