地理」カテゴリーアーカイブ

「レバノン爆発1年 地元知事が窮状訴え」

本日の東京新聞朝刊に、昨夏の爆発事故後、国内政治の混乱により復興が進まない状況が報じられていた。
レバノンといってもあまりピンとこない人が多いであろう。2年前に日産のCEOを務めていたカルロス・ゴーン氏が映画のような逃亡劇を果たした国として報じられたのを記憶しているだろうか。世界史では、紀元前15世紀頃に地中海を制したフェニキア人の都市国家が作られたことで知られる。当時航海に出る際の木造船の材料として用いられた杉の木が、現在のレバノンの国旗に用いられている。

記事にある通り、レバノンは現在無政府状態が続いており、電気や水道、ガスなどのライフラインの整備すら滞っている。シリア内戦やパレスチナ紛争に直接利害関係の少ない日本が貢献する分野は大きいと思う。中国マネーがレバノン経済を席捲する前に、日本が技術支援をできないだろうか。

「中国鄭州市 がれ散乱 再建遠く

本日の東京新聞朝刊に、22日に発生した中国河南省・鄭州市の洪水の様子が報じられていた。
鄭州は年間降水量は640mmほどであるが、3日間でそれに匹敵するほどの雨が降ったそうだ。記事にもある通り、鄭州は大陸性気候気候である。ブリタニカ国際大百科事典によると、大陸性気候とは、「大陸の内部にみられる特有の気候。海洋性気候に対するもので,大陸気候,内陸性気候ともいう。気温の日較差,気温の年較差がきわめて大きく,冬季は風は弱く,湿度は低い。高気圧が発達して水蒸気の供給が少ないため快晴の日が多く,日中は直射が強く,地面の気温は上がるが,夜間は地面からの放射が強く気温が低下する。これに対し夏季は気温も上昇し大陸は低圧部になるため降水は夏に集中するが,年降水量は少ない」とある。

鄭州はケッペンの気候区分では、「Cw」にあたる。夏こそ降水量は多いが、冬は乾燥した日々が続く。疲労困憊のため、ここまで。

「NPT会議 コロナでまたも延期」

本日の東京新聞朝刊に、世界の核保有国の一覧が掲載されていた。
米中、米ロ対立の激化や、欧州とロシア、インドと中国の衝突など、ここ10年ほどの世界秩序の不安定化を受けて、核削減どころか増加に転じているという。北朝鮮が核弾頭を40〜50発も保有しているというのは知らなかった。それに比べてイスラエルの90発は少なすぎないか? そもそもが軍事機密なので、実態はこの数字から大きく解離しているのであろう。

「中国の食料安保『脱米依存』」

本日の東京新聞朝刊に、中国で大豆の消費量が増加し、その増加分をロシアから輸入しているとの記事が出ていた。はて、ロシアは輸出に回すほど大豆を生産していたのかと、疑問に思いながら記事を読み進めていった。記事の最後の方に、ロシアの大豆生産量は中国の膨大な需要を満たすには少ないとの一文があり納得した。以下は、2019年の大豆の生産量ランキングである。

ブラジル、アメリカ、アルゼンチンの3カ国だけで世界の8割を占める。4大穀物の一つに数えられる大豆であるが、その多くは搾油されて食用油となるか、家畜の飼料となっている。日本は例外的に、味噌や醤油、納豆など大豆料理と縁が深い。
中国の大豆の消費量の増加のほとんどが、家畜の飼料である。米中対立に加え、ブラジルと中国の関係も悪化しているとのこと。記事にはないが、南米の大国ブラジルと、隣国のアルゼンチンやパラグアイとの関係はあまり良くないので、中国がロシアの次に狙うのはアルゼンチンやパラグアイかもしれない。

「秋田の特産ジュンサイ生産減」

本日の東京新聞朝刊に秋田県三種町の特産であるジュンサイの生産量が減少しているとの記事が掲載されていた。ジュンサイと言われてもピンとこないが、味噌汁や酢の物に使われる具材である。水草なので天候に左右されやすく、栽培が難しいため、中国産の輸入が8割を占め、国内産は2割となっている。その2割の国内産の90%が秋田県で生産されている。

また、秋田県は昨年2020年の国税調査で、県人口96万113人となり、2015 年の前回調査より6.2%(6万3006人)も減少しており、全国トップクラスで人口減少が続いている。農家だけでなく、県全体が高齢化している中で、国産のジュンサイを維持するのは難しそうだ。写真にもあるように、いまだに木製の船で手作業で収穫作業が行われている。