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「パキスタン『核開発の父』カーン博士死去」

本日の東京新聞夕刊に、パキスタンで1990年代末に核実験成功を主導したカーン博士が死去との記事が掲載されていた。記事にもある通り、カーン博士によって、パキスタンの核開発技術が北朝鮮やイラン、リビアに極秘裏に提供されている。

また、記事では触れていないが、カーン博士は共同通信のインタビューの中で、1980年代に来日し、日本企業に核兵器に必要な部品を注文したと話している。麻生内閣の時に、国会でも取り上げられたが、真相は闇の中である。しかし、日本は米、露、英、仏、中の5か国の核兵器国以外への核兵器の拡散を防止する核兵器不拡散条約(NPT)に締結しており、この件は明らかに条約違反である。北朝鮮の核開発に日本企業が貢献していたというのは、あまりに間抜けな話である。

「習氏、台湾統一『必ず実現』」

本日の東京新聞朝刊に、中国で、満洲族王朝の清が倒れ中華民国が建国された辛亥革命(1911)から110周年を記念する大会が開かれたとの記事が掲載されていた。壇上にはデカデカと孫文の写真が飾られ、習近平国家主席が「中国共産党は辛亥革命を主導した孫文の忠実な継承者だ」とし、台湾独立を牽制したとのこと。

世界史を普通に勉強すれば、孫文の後継者は蒋介石であり、台湾の中国国民党へと系譜がつながっていくはずである。辛亥革命を持ち出すならば陳独秀や毛沢東を全面に掲げるのが筋である。にも関わらず、中国共産党が孫文の継承者をアピールするということは、大陸との繋がりを重視する中国国民党と連携し、台湾の独立志向が強い民進党・蔡英文政権に揺さぶりをかける思惑が見え隠れする。習近平ともパイプも太い中国国民党・馬英九前総統が裏で動いているのであろうか。

「シェアサイクル 帰宅困難で利用か」

本日の東京新聞夕刊に、7日深夜の地震で電車が止まった際に、スマホで登録ができ、自宅近くで乗り捨て可能なシェアサイクルの利用が急増したとの記事が載っていた。

現在国や都が進めるICTを活用した持続可能なスマートシティ構想では、脱化石燃料や健康、観光の切り札として自転車の活用が謳われている。自転車から自動二輪車、自動車へと発展してきたが、これからの環境都市では再び自転車に注目が集まっている。

ただし、安物の自転車が使い捨てされている現在の日本の風潮は、本末転倒な話になってしまう。物を大事に使う、工夫するという点を大切にしたい。

「モスクで爆発 100人死傷」

本日の東京新聞朝刊の国際面に、アフガニスタンのシーア派のモスクで爆発が起こり、100人を超える死傷者が出たとの報道があった。金曜日はイスラム教の安息日にあたり、礼拝が行われていることを知っての犯行である。記事には明記されていないが、スンニ派の過激派組織「イスラム国」が起こした可能性が高い。

ちょうど授業の中で、イスラム教の90%を占めるスンニ派と、イランを中心に信仰されているシーア派について触れたところである。同じイスラム教なのだが、今から1500年以上前の、イスラム教の指導者の後継争いに端を発している。スンニ派はムハンマドが神から預かったとされる言葉を記した「コーラン」と、ムハンマドの慣習をまとめた「ハディース」が信仰のベースとなっている。一方、シーア派はムハンマドの血を引いた第4代カリフ(代表)のアリーの信者であり、指導者への帰依という側面が強い。

シーア派は数少ないとは言え、イランのほぼ100%の方が信仰している。また、イラクやイエメンではスンニ派とシーア派の割合が拮抗しており、絶えず政治の混乱が続いている。さらに、シリアでは人口の2割にも満たないシーア派の亜流であるアラウィー派が政権を握ったために、多数派のスンニ派への激しい弾圧が続いている。そのシリアのシーア派アサド政権を支持しているのが、レバノンを拠点とするシーア派の過激組織「ヒズボラ」である。シリアを舞台にスンニ派とシーア派の両過激組織が衝突し、多くのシリア難民が生まれている。

今回の記事もアフガニスタンだけの問題ではなく、中東全体の問題であるとの視野を大事にしたい。こうしたことを授業の中で育んでいきたいと思う。

「首都直下型 常に警戒を」

本日の東京新聞朝刊に、一昨日の首都圏を襲った地震の分析が掲載されていた。
記事によると、千葉県北西部を震源とする今回の直下型地震だが、原因は太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界付近で起きたという。あれっと思って少し調べてみた。

授業の中で、日本は4枚のプレートの合わせ目に位置しているという話は何度かしている。しかし、以下の平面図を見ても太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界は伊豆・小笠原海溝であり、関東から遠く離れている。今回は直下型地震なので、千葉県北西部の真下に震源がないといけない。

そこでネットで調べてみたところ、伊豆半島付近で北米プレートの下にフィリピン海が潜り込み、関東地方の地下深いところで、フィリピン海プレートの下に太平洋プレートが沈み込んでいることが分かった。今回の地震の深さが75kmだと判明しているので、私たちが暮らす足元の地面を75,000m掘っていくと、下図にあるような今回の震源まで辿り着けるという訳だ。