地理」カテゴリーアーカイブ

「イラン最終文書に慎重姿勢」

本日の東京新聞朝刊に、イランの核合意の再建に向けた欧米と交わした最終文書の調整に関する記事が掲載されていた。文書の詳細は分からないが、イランに対する経済制裁を早く解除したいという欧米各国の焦りが滲み出ているように感じる。

イランはベネズエラ、サウジアラビア、カナダについで原油埋蔵量が多い国である。ロシアからの天然ガスの輸入が滞っている現在、特に欧州では化石燃料の確保に躍起となっている。イランは欧州に近いため、原油のパイプラインもトルコやアゼルバイジャンを経由すれば比較的設置は用意なのではないだろうか。

2学期以降の資源・エネルギー問題の授業の時に、この点を深掘りしてみたい。

「令和2年度エネルギーに関する年次報告」(資源エネルギー庁 エネルギー白書2021)

「イスラエル軍 ガザ空爆」

本日の東京新聞朝刊に、イスラエルが地中海に面するパレスチナ自治区ガザに大規模な空爆を展開したとの記事が掲載されていた。
イスラエルについて書くのは難しいが、ざっくりまとめると、第2次大戦後に英米軍のバックアップを受けたユダヤ人が、パレスチナ人が住んでいたイスラエルに入植してきて、パレスチナ人を軍力で追い払い、自治区という名称の2地区で監禁しているのが実態である。古代中世の話を持ち出すとややこしくなるので割愛する。

イスラエルの1人あたりのGDPは約51,430ドル(2021年 世銀)で、経済成長率は8.1%(2021年 イスラエル中央統計局)となっている。ハイテク・情報通信分野及びダイヤモンド産業を中心に経済成長ており、さらに排他的経済水域内において、大規模な天然ガス田の開発が進められている。

ウクライナ戦争に影に隠れてしまっているが、イスラエル軍の非道な犯罪行為はもっと報道されるべきである。

メモ書きのみ。

「欧州で干ばつ深刻」

本日の東京新聞朝刊に、欧州全域で干ばつが深刻化し、フランス、スペイン、ポルトガル、イタリアなど地中海に面した国で農作物の収穫量の急減が懸念されている。

授業や講習で何度も触れている地中海性気候に関する記事である。地軸が23°傾いているため、春秋は北緯20〜30°に位置する亜熱帯高圧帯が夏には北緯40°付近まで北上してくる。ざっくりいうと、サハラ砂漠を作った高圧帯が夏に地中海にやってくるのである。

上記がイタリア・ローマの雨温図である。夏は極端に降雨量が減り、月に10mm程度になってしまう。ただし気温は22℃を超えるので、ケッペンの気候区分でいうとCsaである。今年は特にひどく、熱波と干ばつがダブルで欧州全体を襲っている。地中海沿岸では、夏は乾燥に強いオリーブやレモン、オレンジ、トマト、ブドウを育てているが、あまりの水不足でそうした作物すら大幅な収穫減少が危惧されている。
こうした状況が続くようだと、地中海沿岸の農作がナツメヤシとなる日も近いであろう。

「農林水産物の輸出 最高」

本日の東京新聞朝刊に、円安の進行もあり、2022年上半期の農林水産物・職員の輸出額が6525億円にのぼり、過去最高だったとの記事が掲載されていた。福島第1原発事故以降、安全・安心に努めてきた日本の農産物が評価されているのであろう。
大変興味深い記事だったので、農林水産省のホームページをみてみると、中国・アメリカに1000億円を超える農林水産物を輸出している。また、国の規模でいうと香港、台湾、ベトナムの方が日本の輸出効果は大きい。

来年度の入試で出題されるとしたら、帆立貝といちごを除いて、加工食品が多いという点は注意が必要だ。今回の統計には入っていないが、日本の米も輸出が伸びている。といっても年間2万トンに過ぎないが。

「四日市ぜんそく 原告勝訴50年」

本日の東京新聞朝刊に、熊本県の水俣病、新潟水俣病、富山県のイタイイタイ病と並んで四大公害病の一つに数えられている四日市ぜんそくの判決から50年の模様が報じられていた。
メチル水銀が原因で脳が汚染され様々な神経障害を引き起こす水俣病や、カドミウムが原因で骨折を繰り返し全身を襲う痛みが生じるイタイイタイ病に比べて、四日市ぜんそくは字面だけみると印象が薄い。しかし、ぜんそくに悩み自殺した因果関係が不明瞭な患者を含めると、2000人以上の四日市市民が犠牲になったともいわれる。

また、この四日市ぜんそくの判決以後、大気汚染を取り締まる法律が制定されている。日本の負の歴史として確と記憶に留めておきたい。