本日の東京新聞朝刊に、欧州全域で干ばつが深刻化し、フランス、スペイン、ポルトガル、イタリアなど地中海に面した国で農作物の収穫量の急減が懸念されている。
授業や講習で何度も触れている地中海性気候に関する記事である。地軸が23°傾いているため、春秋は北緯20〜30°に位置する亜熱帯高圧帯が夏には北緯40°付近まで北上してくる。ざっくりいうと、サハラ砂漠を作った高圧帯が夏に地中海にやってくるのである。
上記がイタリア・ローマの雨温図である。夏は極端に降雨量が減り、月に10mm程度になってしまう。ただし気温は22℃を超えるので、ケッペンの気候区分でいうとCsaである。今年は特にひどく、熱波と干ばつがダブルで欧州全体を襲っている。地中海沿岸では、夏は乾燥に強いオリーブやレモン、オレンジ、トマト、ブドウを育てているが、あまりの水不足でそうした作物すら大幅な収穫減少が危惧されている。
こうした状況が続くようだと、地中海沿岸の農作がナツメヤシとなる日も近いであろう。