本日の東京新聞朝刊に、高効率ながら液漏れの危険もあるリチウムイオン電池を全て固体化し、大容量かつ安全に運用できる全個体電池の開発が進んでいるとの記事が掲載されていた。
太陽光や風力などの再生可能エネルギーの普及が進むが、その電力を貯めて蓄電池の普及が遅れている。電気自動車も性能や安全性は周知されつつあるが、リチウムイオンの蓄電池が高価格のため、値段と航続距離がゼロサムとなってしまう。
本日の東京新聞朝刊に、マンモス復活のプロジェクトを手掛ける近畿大の研究チームが紹介されていた。近年の地球温暖化の影響で、ツンドラ気候の永久凍土の中で数万年もの間氷漬けにされていたマンモスの死体がほぼ完全な形で発見されるようになった。骨だけでなく肉や皮膚組織までも壊されることなく発見され、解凍したところ細胞分裂の一歩手前まで蘇生したとのことである。今後万能細胞の活用が進めば、古代の恐竜や動物の復活も夢ではない。
それにしても、数万前の氷河時代の氷が溶け始めているという事実はきちんと受け止めておきたい。昨年の冬にもヒマラヤの氷河が崩壊し、下流のインド北部ウッタラカンド州では大洪水となっている。マンモスだけでなく、人類の健康に著しく影響を与える細菌や微生物などが復活することも考えられる。詳細は授業の中で補足したい。
小山内美江子『ヨルダン難民救済への旅』(岩波ジュニア新書 1991)をざっと読む。
著者はTBSのテレビドラマ『3年B組金八先生』やNHKの大河ドラマ『徳川家康』『翔ぶが如く』の脚本家として知られている。
イラクがクウェートに侵攻した湾岸戦争で混乱した中東で、原油もこれといった産業もないため紛争に巻き込まれず、周辺国から難民が押し寄せたヨルダンの難民キャンプでの数日間のボランティア体験を
江戸川乱歩『赤い幼虫』(ポプラ社 1970)を半分ほど読む。
1933年から34年にかけて発表された作品の焼き直しである。東京市の場末の三河島が舞台となっていたり、小人症の子どもが見せ物小屋で働いているという設定など、戦前の香りが漂っている作品であった。
川田伸一郎『モグラ博士のモグラの話』(岩波ジュニア新書 2009)をパラパラと読む。
著者自身がモグラといっても、「ふつうはツルハシとかヘルメットとかサングラスとかを身につけた、『工事中』のスタイル」しか思い浮かばないと謙遜するように、身近な動物であるにも関わらず、とんと見たことのない動物である。漫画や挿絵のイラストでは、モグラが地面にぽっかり空いた穴から、半分体を覗かせているように描かれていますが、実際のモグラは穴から顔を出すことはない。もし目にしているとした姿形はモグラにそっくりだが、半地下で暮らすネズミ程度の大きさのヒミズ(日不見)という動物である。
本筋のモグラの話よりも、著者が通っていた弘前大学の北溟寮の話が興味深かった。ちょうど1990年代半ばの出来事で、全国で大学の自治寮が取り壊されようとしていた時期である。著者の川田氏は大学の勉強そっちのけで、自治と安い寮費と、そして独特の楽しい共同生活を守るために、3年間にわたって闘っていたとのこと。そういった「寮」という特殊な経験が、それ以降の研究者としての姿勢を築いたという点が面白かった。