松島まり乃『アイルランド民謡紀行:語り継がれる妖精たち』(集英社新書 2002)を読む。
ちょうどアイヌの人びとのように、家庭にテレビが普及を始め、英米文化の影響が政治を超えて浸透し、ゲール語をベースにした語り物語が危機に瀕しているとのことだ。アイルランド民謡そのもののアイデンティティは見えて来なかったが、「語り」によって人びとが世代を超えて交流し合う場が形成されるというのはよい風習であり、是非とも形を変えてでも続いてほしいものだ。
『アイルランド民謡紀行』
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松島まり乃『アイルランド民謡紀行:語り継がれる妖精たち』(集英社新書 2002)を読む。
ちょうどアイヌの人びとのように、家庭にテレビが普及を始め、英米文化の影響が政治を超えて浸透し、ゲール語をベースにした語り物語が危機に瀕しているとのことだ。アイルランド民謡そのもののアイデンティティは見えて来なかったが、「語り」によって人びとが世代を超えて交流し合う場が形成されるというのはよい風習であり、是非とも形を変えてでも続いてほしいものだ。
辻仁成『海峡の光』(新潮文庫 1997)を春日部温泉の湯に浸かりながら読む。
函館を舞台にした刑務所の刑務官の心情を丁寧に描く。過去のトラウマや展望のない将来に閉ざされてしまった自らの心の壁を、刑務所の外壁や海岸に囲まれた函館の土地になぞらえる。心理描写と風景描写が奇妙に一致した印象に残る作品であった。ふと地元の春日部温泉が函館の一隅にある温泉に感じられた。
本日の東京新聞に夕刊で、モスクワでの下院選挙の投票所でカシヤノフ首相が女性から卵をぶつけられる騒ぎを報じていた。
首相が投票箱に投票用紙を入れようとした時、「カシヤノフ、選挙は茶番よ!」と叫んだ女性が卵を投げつけ首相の肩に命中し、女性は取り押さえられたということだ。カシヤノフ首相はロシアの記者団に「これも民主主義の一部」と平静に答えたそうだ。前後の文脈は分からないが、ロシアの政治もかなり変わってきたようだ。まさに民衆の直接行動を包括してこそ民主主義である。イラク戦争反対の声を排外する「自由と民主主義」の政党が牛耳るどこかの国の首相だったら「民主主義を冒涜する行為である」と語気を荒げるであろう。日本における民主主義の成熟はまだまだ時間がかかりそうだ。
古田英明『転職術』(新潮OH!文庫 2002)を読む。
安易に転職を奨励するのではなく、自らの経験を踏まえて、転職時の年齢に応じたメリット・デメリットを説く。