投稿者「heavysnow」のアーカイブ

羽田第二ターミナル

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テレビのバラエティ番組で宣伝してたので、早速「東京に詳しい」埼玉県民根性を発揮して、羽田の第二ターミナルへ出掛けてみた。これまで羽田は大きすぎて飛行機が見られるスポットが少なかったが、この第二ターミナルはわざわざ見物客用に飛行機が間近に見られるように屋上展望台が用意されている。19、20歳の頃だったが、バイクで羽田まで来て、空港のフェンス脇から早朝に缶コーヒー片手に飛行機を眺めていたことをふと思い出した。眼前にどーんという形で見る飛行機もよいが、世阿弥の『風姿花伝』にもあるように、ちらっとかいま見える飛行機もまた良いものである。
しかし、これほど飛行機がはっきりと見え、離陸する姿と音が観客を魅了したら、羽田空港の近くの「翼の見える公園」には人が集まらなくなってしまうのではと要らぬ心配をしてしまう。

『座頭市』

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テレビで録画した北野武監督『座頭市』(2003)を見た。
月並みな表現だが、北野武扮する盲目の浪人である座頭市の落ち着き払った姿が〈静〉の世界を成し、心の緊張を象徴する太鼓の激しいリズムが対比的に〈動〉の世界を作り上げる。画面は暗く動きも少ないのに、効果音だけは高まっていく画面構成が印象的であった。そして最後はタップダンスという形で大団円を迎える。まさに映画ならではの手法である。
思うのだが、この作品をもしノベライズするならば、徹底した心境小説にならざるを得ないであろう。

『オレンジの壺』

先週で佛教大学の通信教育の最終試験が終わって、やっと一息ついたような日々を過ごしている。やらねばならないことはたくさんあるのだが、しばらくは読書や運動など充電期間に充てたいと思う。気持ち的なゆとりがないと次へ向かう元気も出ない。

宮本輝『オレンジの壺』(光文社 1993)を読む。
何年か本棚に眠っていた本であったが、海外を舞台した小説が読みたいと思い手に取ってみた。単行本で上下500頁近くの作品であったが一気に読んでしまった。祖父が残した日記を巡って、1920年代の第1次大戦後のヨーロッパの秘密組織の謎が段々と明らかになっていく。そしてその謎を追ってパリ、エジプトへ旅だった佐和子の人間的成長も合わせて話が展開される。雑誌に連載された小説ということだが、終わり方が何とも慌ただしく、すっきりしない作品であった。