先週で佛教大学の通信教育の最終試験が終わって、やっと一息ついたような日々を過ごしている。やらねばならないことはたくさんあるのだが、しばらくは読書や運動など充電期間に充てたいと思う。気持ち的なゆとりがないと次へ向かう元気も出ない。
宮本輝『オレンジの壺』(光文社 1993)を読む。
何年か本棚に眠っていた本であったが、海外を舞台した小説が読みたいと思い手に取ってみた。単行本で上下500頁近くの作品であったが一気に読んでしまった。祖父が残した日記を巡って、1920年代の第1次大戦後のヨーロッパの秘密組織の謎が段々と明らかになっていく。そしてその謎を追ってパリ、エジプトへ旅だった佐和子の人間的成長も合わせて話が展開される。雑誌に連載された小説ということだが、終わり方が何とも慌ただしく、すっきりしない作品であった。