先日テレビで放映された、藤森雅也監督のアニメ映画『おまえうまそうだな』(2010 日本)を子どもと一緒に観た。しかし、子どもは途中で飽きてしまったので、結局、私一人で最後まで観ることになった。
草食のおかあさん恐竜が、川を流れてきた肉食のティラノサウルスの卵を拾い、やさしく育てるという場面から話は始まる。やがて肉食の恐竜は大きくなるに連れ、母親や兄弟を食べてしまいたいという恐怖から群れを離れてしまう。しかしそのティラノサウルスが、ひょうんなことから今度は草食の恐竜を育てるはめになってしまう。
互いに対立関係にある恐竜同士が、種を超えて家族愛で結ばれるヒューマンドラマとなっている。昨今のアニメ映画にしては雑な絵作りなのだが、大人も十分に楽しめる内容であった。
[youtube]http://www.youtube.com/watch?v=OV4ZsYSfw6k[/youtube]
同じ監督の人繋がりで他の映画作品を持ち出してすみません
もし良かったら見ても良いです。見た上でダメだったらすみません。
興味ない、不愉快に感じたなら申し訳ありません。
映画版フェアリーテイルの監督の人は実は映画版「おまえうまそうだな」(以下「うまそう」)というハートフルアニメもやった事あるそうです。
映画版フェアリーテイルと映画版「うまそう」では見比べてみるとかなり違う紹介だと思いました。
映画版フェアリーテイル
ttp://fairytail-movie.com/staff/
映画版「うまそう」
ttp://www.cinematoday.jp/movie/T0008881
ttp://cinema.pia.co.jp/title/s-154525
ttp://movie.walkerplus.com/mv46814/
同じ監督にも関わらず、紹介が違うと言う事はそれぞれ上の意向が違ったのでしょう。
因みにこの監督の人はアクション系も売りらしく原画でもそういう仕事を幾らかやった事あるそうです。
そういう意味では映画版フェアリーテイルの方が本人の個性に近いのかもしれません(例えば作者や周りから与えられた題材とか)。
映画版フェアリーテイルでの紹介はアクションの人としても紹介されている感じです。
ttp://www.creativevillage.ne.jp/cafe/fujimori.html
アクション系については「アクションが好きで本来ならアクションが不要な作品にも入れる」と言っています。
ただし、自分の個性を押し切らず、周りの話を聞いて、客を意識するというスタンスでもあるので
例えばアクションが不要な映画の場合はあくまで他の部分をメインになるように構成されています。
実際、映画版「うまそう」の場合は絵本の原作者が絵本と違うものを頼んでて、普通に見ると単なるハートフルアニメと感じる作品になっててそういう感想が多いです。
(絵本にもアクションあったかどうか微妙ですが、映画版はコンセプト的にもっとアクション系とは無縁)
ttp://photozou.jp/photo/photo_only/2860818/156276493
そりゃ映画は監督の人は口出しして作ったと言っていますけど、語ってる部分は映画版のメイン所ではなく普通に見てる人は気づかない所ばかりです。
何だかんだで上層部の意向を優先したんだと思います。
「子供向け=全てハートフル」ってのは偏見ですが、映画版「うまそう」で想定されてたのは
アクション等が好きな子供ではなくてホンワカ物が好きな子供とその親だったようです。
この監督の作品で、少なくとも映画版「うまそう」みたいな作品しか知らない方は映画版フェアリーテイルを見てみると良いのかもしれません。アクション系という意味では、映画版フェアリーテイルの方が本人の個性をいかしてるのかもしれないので。
映画版「うまそう」みたいなものしか知らない人には信じられないかもしれませんが、これでもアクション系も売りの人でもあるみたいです。映画版フェアリーテイルでの紹介でもそっち方面を意識した感じですので。
そりゃ映画版「うまそう」みたいなハートフル物もやらなくはないのでしょうが、それだけで監督の作風を決めつけられないんじゃないかと思います。
逆に映画版「おまえうまそうだな」は「こういう人だからこれが向いてるだろう」というしょうもないというかおかしな偏見で起用されたのかもしれません。少なくとも、アクション等で起用されたわけじゃないのは確かじゃないかと思います。映画版「おまえうまそうだな」で監督を起用した側は監督の人の力を知らなかったか、認めてなかったのかもしれません。映画版「おまえうまそうだな」のコンセプトはハートフル物ですから。
映画版の絵柄にしても、「この監督ならこれで通すだろう」って偏見で決まったのかもしれませんし。絵柄だってどこまでが誰の発案かわからない以上色々と推測が生まれます。
この映画のプロデュース側について、「人気絵本のネームバリューを使いたかったのか」
「原作者が絵本と違う物をって頼んだのを良い事に映画を単なるお涙頂戴物にしたかったのか」って事を突っ込みたいです。
http://mi-te.jp/contents/cafe/1-9-742/
原作者は絵本と違う物と頼んだけど、「絵本と違う物」って良い意味でも悪い意味にもなり得るのである意味範囲が広いです。
映画は勿論監督以下スタッフ側も色々口出ししたので彼等の意向もあるのは
間違いないのですが企画には関わってなかったかもしれませんねえ。
口出ししたと言ってもあくまでああいう企画の枠内でやっただけなのかもしれません。
映画の絵柄についても、監督に対しても単に「ポケモンみたいな絵柄にしてくれ」と頼んだ可能性もあります。寧ろ、そういう風な感じの映画にして欲しくてこの映画に監督を起用したのかもしれませんし。上辺だけの経歴で偏見で判断したとも考えられるかと思います。
もっとも絵柄だけではなく、内容面でも「この監督だったらこういう、ぬるま湯映画にぴったりだろう」という上辺だけの経歴で判断したのかもしれませんが。
http://photozou.jp/photo/photo_only/2860818/156276493
このアニメージュ2011年8月号のインタビューはこちらも読みましたが、映画全体を見る限りだと必ずしもインタビューで答えたスタッフの意向が全面に出てるってわけではなかったというか、プロデュース側の意向(とにかく女が泣ける映画を作って欲しい・・・)のが優先されてたって感じですねえ。
「スタッフ側は色々お話やアクション面に口出したみたいだけど、映画を見る限りではそのスタッフの言ってた通りの部分は全面ほどには出てないというか、プロデュース側の意向のが優先されてたような」と思ったからです。
本当にスタッフの意向が全面に出る映画は、例えそのスタッフの力量が足りなくてもそれっぽい形(スタッフの言う意図が形だけでも全面に出てたり)にはなりうなのですが。
それにしてもこれは女性を舐めてますね。単なる可愛いキャラでお涙頂戴物語を作れば良いと思っていたのでしょうか?
続く
おまえうまそうだな その2
「映画を単なるお涙頂戴物にしたかたったのか」と思った理由を詳しく書くとこうです。
■可愛いキャラ(キャラデザ)
既に描いた通りですが、キャラデザについては監督やった人間が「お母さんが色っぽいのも柳田さんのおかげですよね。お母さんが色っぽさは想定外」「丸っこいキャラだけど格好良いアクションをやる」的な言っていました。こういった意見しか知らないのですが、これだけだと本当に監督(下手すりゃキャラデザイナーも)の意向であのデザインになったのかどうかわかりませんね。
「本当はもっと違うデザインでやろうと思ってたけど
ポケモンみたいにしろと頼まれて仕方なくやった」という可能性だってあります。
「こんなキャラだけどアクションをやってやる」という意地とかで。
・・・おっと制作サイド中心の話になってしまいました。
■狙った感じのウルウル感
映画にはいかにも「ここ泣けるだろ」みたいなシーンやBGMとかもありました。
マイアサウラのお母さんの存在もそうです。
実は肝心の制作サイドからも「肉食だとわかっていながら平気で育てちゃう」と言い方もしてたので、制作サイドも多少なりとも呆れを感じてるのかと思いました。
浮世離れってのは良い意味で使われるとは限りませんので。
実際に、作中のを見る限りでは周りの足を引っ張ってばかりでしたねえ。
何食わぬ態度で草食の身内の事考えないで肉食の主人公を育てるし、その肉食の主人公にしても赤い実ばかり食わせる。
肉食のボスについて、ハートをお母さんが育てた件について聞いて「肉食は肉を食べないとダメだ。どうするつもりだったんだ?」と言われても反省もしないでちゃっかりする。
おまけに終盤になっても「ハートに対して一緒に暮らそうという」子離れの悪さを発揮する。
このマイアサウラのお母さんの存在も、「泣けるというお題を苦労していれつつも~」な部分なのかもしれませんが。
原作絵本も泣けると言われてるけど、原作絵本は結果的に泣けたという感じじゃないのかと思いました。
寧ろ映画の方がお涙頂戴を狙ってるのかと思ったくらいです。
でも映画は自然と泣かされる物よりも、いかにもな分かりやすいお涙頂戴が良いとプロデュース側が判断したのでしょう。
要望が「とにかく女の人が泣ける映画を作って欲しい」ですから、それを少しでも意識するとどうしても分かりやすいお涙頂戴になりそうです。
尤も「女性を馬鹿にしてるな。単なる可愛いキャラで狙ったお涙頂戴物語を作れば良いと思っていたのか」って感じもしますが。
人気絵本をアニメ化映画化するとどうしても単なるお涙頂戴ブームになるのでしょうか。