『「自分の木」の下で』

大江健三郎『「自分の木」の下で』(朝日新聞社 2001)を読む。
週刊朝日に連載されたもので、中学生や高校生に向けて、学校論や教育論、人生論が展開されている。大江氏独特の高踏的な文章スタイルは控えめになっており、自閉症を抱えた息子の光くんを育てていく中で経験的に培った思いが寄せられている。

いま、光にとって、音楽が、自分の心のなかにある深く豊かなものを確かめ、他の人につたえ、そして自分が社会につながってゆくための、いちばん役にたつ言葉です。それは家庭の生活で芽生えたものでしたが、学校に行って確実なものとなりました。国語だけじゃなく、理科も算数も、体操も音楽も、自分をしっかり理解し、他の人たちとつながってゆくための言葉です。外国語も同じです。
そのことを習うために、いつの世の中でも、子供は学校へ行くのだ、と私は思います。

しかし、所々で、私のような不勉強な庶民をあえて寄せ付けないような文章も散見され、途中で投げ読みになってしまった。

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