「ロシア軍集結問題 外相会談」

本日の東京新聞朝刊記事より。
連日ロシアとウクライナの緊張が報じられている。2014年に続いて、ウクライナへの侵攻準備を着々と進めるプーチン大統領と、ウクライナ国内に米軍を配置する北大西洋条約機構(NATO)の拡張を粛々と進めるバイデン大統領との間の不穏な空気が一層強まっている。

話題の中心となっているウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、元々俳優であり、政治ドラマで大統領を演じ好評を博したことから、あれよあれよという間に現実世界でも大統領となった異色の経歴の持ち主である。まだ43歳の若い政治家である。

ウクライナは欧州に近い西部はウクライナ語圏でEU寄りである。一方ロシアに近い西部(ドネツク地方)はロシア語を話す人が多く、ロシアとの併合を望むものもいる。ゼレンスキー大統領自身は欧米寄りであり、米軍の援助を受けてロシアの追い出しに動いているらしいとのこと。

ロシア情勢に詳しい防衛省防衛研究所の兵頭慎治政策研究部長は、朝日新聞の取材に対し、「ロシアにとってのウクライナ問題、中国にとっての台湾問題は似ている。どちらも、米国の対応を見極める試金石になるからだ。中国は今、ウクライナ情勢で米国がどういう反応をするのか、注視しているだろう」と話しているそして「ロシアも中国も、お互いに相手を自分の紛争に巻き込もうとするだろう。特に中国は台湾問題に、ロシアの核抑止力を政治利用したいと考えているはずだ」と語っている。

つまりウクライナと台湾は米国との政治カードに使われており、ユーラシア大陸の東西で米露が米国との駆け引きが展開されているというのだ。冷戦の頃は、ソ連邦と中国は同じ共産主義国でありながらも対立していたので、ソ連軍と中国軍が共同歩調を取ることはなかった。しかし、この「ウクライナ-台湾」問題では、中ロが密接に連携を取っているかのようである。