パンフレット研究:公立はこだて未来大学

パンフレットを手に取った時は胡散臭い大学だと思っていたが、読み込むにつれて面白さがにじみ出てくる内容であった。教員のMacintoshの所有率が高く、米Pixar社のような自由な雰囲気の大学である。1997年に函館市周辺の自治体が広域で設置した公立大学である。情報システムコース、高度ICTコース、情報デザインコースの3コースからなる情報アーキテクチャ学科、複雑系コースと知能システムコースの2コースからなる複雑知能学科の2学科からなるシステム情報科学部の単科大学である。

このうち複雑知能学科には、多核単細胞生物「粘菌」の情報処理能力の研究で裏ノーベル賞としても呼ばれるイグノーベル賞を2度も受賞した中垣俊之氏の研究室も置かれている。

また、カリキュラムも教養科目や語学科目はすっきりと省かれ、4年間の専門一貫教育の理念が貫かれている。大学院が設置されておらず、学部卒業生の8割近くが就職するという珍しい大学である。また、通常の授業やゼミとは別に一年間掛けて実施されるプロジェクト学習があり、パンフレットでも20以上のワーキンググループが紹介されている。

理系には珍しく大学院が設置されておらず、機械工学や建築工学、応用化学、生命科学といった金のかかる学科はなく、パソコン1台あれば完結するような情報システム学部のみの設置が、自治体への負担も少なく、個性的な改革ができるのであろう。

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