パンフレット研究:明治大学

1881年司法省明法寮出身の法曹家岸本辰雄らにより、フランス法の教育を目的に創立された明治法律学校が前身の歴史ある学校である。
パンフレットを見ると「知への問い」や「個の学び」といった昔ながらのキャッチフレーズが並び、「大学は就職のための予備校ではありません」といった文言もある。私が受験した90年代前半と大きくは変わっていないというのが第一印象である。
しかし、自治会の排除が決定的になった辺りから再編が進み、1998年にリバティタワーが完成し、2004年に情報コミュニケーション学部、2008年に国際日本学部といった理念のよく分からない学部が開設されている。また、パンフレットを読むと、学部は変わっていないが、学科が毎年のように再編され、商学部や政経学部、法学部では新たにコースが設置され、学生が卒業までの見通しが立てやすいようにカリキュラムが再編されている。
郊外型大学のように就職や資格といったことが前面に出ることはなく、授業以外の大学という場で学ぶ人間性や在野精神に重きが置かれている。いたずらに拡張経営に走ることなく、文系は都心の駿河台キャンパスと和泉キャンパスにすべて集約し、大学としての一体感を重んじたことが成功であったのだろう。

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