矢下茂雄『大卒無業:就職の壁を突破する本』(文藝春秋 2006)を読む。
リクルートで長年学生の就職サポートを務めてきた著者が、これから就活を迎える大学生の子を持つ父親に向けた就活のイロハと、子どもへの向き合い方や声の掛け方などについて、親身になって語る。2000年代半ばに大学生の子を持つ親というと団塊かそれより少し下の世代にあたり、好景気の当時では考えられない「就活」という言葉や、就職スケジュールから丁寧に説明されている。
また、子どもにアドバイスできるように、エントリーシートのポイントや、面接で試験官の印象に残る答え方などについても、「面達」張りに分かりやすくまとめられている。公務員試験の種別や、業界や業種別に仕事内容や向き不向き、今後の成長見込みなどが整理されており、できれば大学生の時に読みたかった本である。