福島・いわき市のいわき湯本駅の近くにある、「いわき市石炭・化石館ほるる」で、『石炭のおはなし』(東宝教育映画 1950)を観た。
生活の燃料の主役が石炭から石油に移行する1960年代の前に作られた映画である。古い白黒フィルムの20分の映画で、石炭の活用方法と、採掘の現場の映像が小学生向けにまとめられている。石炭が電気を生み出し、工場を動かし、蒸気機関車の動力源となり、サッカリンなどの薬にもなる国民生活に欠かせないエネルギーであったことを改めて確認した。炭坑の入り口には「出炭救国」の4文字が掲げられていた。
半世紀も前になる炭坑の閉山は、私にとって学校の歴史の教科書で知る「事柄」であった。しかし、かつて炭坑であった「軍艦島」の現在を伝えるテレビ番組などを見て感じたのだが、閉山は炭坑労働者にとって日本の発展を支えてきたという自負の否定であり、生活の全てを炭坑に捧げてきた家族たちの新しい人生の始まりの「ドラマ」である。
「エネルギー革命」という無味無臭な一言で片付けられてきた石炭について、もう少し勉強を深めていきたい。
『石炭のおはなし』
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