林望『リンボウ先生、イギリスへ帰る』(文藝春秋,1994)をパラパラと読む。
1984年から1987年まで、ケンブリッジ大学とオックスフォード大学へ研究で滞在していた時の異文化体験が綴られている。
月別アーカイブ: 2025年3月
『迷惑メール やって良いこと悪いこと』
須藤慎一『迷惑メール やって良いこと悪いこと』(有限会社源,2012)を読む。
スマホこそ出始めていたが、まだメールがネット上のコミュニケーションの主流であった頃の話である。業者による迷惑メールの手法や、迷惑メールの対処法、迷惑メールフィルターなどが丁寧に紹介されている。もともと日経BPnoサイトで連載されていた内容なので、するすると読むことができた。
私自身が、昨年の今頃、クレジットカード会社からの偽メールに騙され、フィッシングサイトに登録してしまったので、10数年前の話として片付けられない。
『夜は短し歩けよ乙女』
森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』(角川書店,2006)を少しだけ読む。
京都を舞台にした小説で、小説世界に語り手が顔を出し、語り手の男性視点なのか登場人物の女性視点なのか、頻繁に入れ替わるので非常に読みにくい。
私はファンタジー小説というのは大の苦手である。そもそも聖書や古事記といった神話も嫌いである。なぜ、作者の独自の世界観に付き合わなければいけないのか。
『私を抱いてそしてキスして』
第22回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作、家田荘子『私を抱いてそしてキスして:エイズ患者と過した一年の壮絶記録』(文藝春秋,1990)をぱらっと読む。
患者さんとのやりとりが延々と続くので、途中で飽きてしまう。
『チェルノブイリ・汚染大地』
朝日新聞「原発問題」取材班『チェルノブイリ・汚染大地:5年目の報告』(朝日新聞社,1990)をパラパラと読む。
1986年のチェルノブイリ事故から5年目となった1990年に朝日新聞で連載された実態報告がまとめられている。チェルノブイリ事故は、原子力発で装置を動かすための電源が停電してしまった場合にも、原子炉を安全に冷やすことができるかどうかを確認するための実験の途中で爆発事故を起こしたことはよく知られている。
本書では、事故は人為的なミスではなく、そもそも原子炉を止めるはずの制御棒の設計にミスがあり、制御棒を挿入することで出力の上昇を招く欠陥品であった点が明らかにされている。また、当時は白ロシアと呼ばれていたベラルーシやウクライナの被曝状況も丁寧に取材されている。