宮台真司・速水由紀子『サイファ覚醒せよ!:世界の新解読バイブル』(筑摩書房,2000)をパラパラと読む。
ほとんど頭に入ってこなかった。唯一興味を引いたのが、宮代氏を含めた1960年前後生まれの「新人類世代」と、干支で一回り違う東浩紀を含めた「団塊ジュニア世代」の比較であった。
脚注によると、「新人類世代」とは、『朝日ジャーナル』の連載「新人類の騎手たち」に由来する説が有力で、1973年〜76年のシラケ時代に中高生だった1958〜1963年生まれを指す。団塊世代のようなうって一丸となる行動も世代意識もないこと、志向が細分化していること、生まれたときからメディアまみれで育ったこと、デート文化に長けていることなどが特徴であり、初期のオタク世代と重なっている。一方、「団塊ジュニア世代」は、団塊世代が結婚・出産を迎えた第二次ベビーブーム(1971〜1975年)に相当する年代である。バブル末期の90年頃には「イチゴ世代」と呼ばれて注目されてきたが、新人類世代と比べても、直後のブルセラ世代(1976〜1980年生まれ)と比べても圧倒的に地味なライフスタイルで、実りは少ない世代であると説明されている。
「団塊ジュニア世代」に比べて、「新人類世代」が物書きでも映画監督でも桁違いに多いという宮台氏の言葉が印象に残った。「団塊ジュニア世代」の悲哀を改めて噛み締めた。