夏休みの13冊目
香山リカ+森健『ネット王子とケータイ姫』(中公新書ラクレ,2004)をパラパラと読む。
2004年6月に長崎県佐世保市の小学校内で、6年生の女児が同級生を殺害した事件の背景にインターネットの書き込みトラブルがあったという書き出しで始まる。ネットが犯罪を誘発しているのではないか、ネットは子どもの成長によくない、ケータイ友達が危険な人間関係を作り出す、ゲーム依存症は暴力性を生むといったネットやケータイに対する批判を取り上げ、そうした批判を生み出してしまう日本の社会や教育の貧困を批判するという内容である。といっても、これといった解決策はなく、ネットやケータイはあくまで道具であり、生身の親子関係、友達関係を十分に作ることが大切であると述べる。