江戸川乱歩『一寸法師』(ポプラ社 1973)をささっと読む。
Wikipediaで調べたところ、1926年12月から1927年2月まで、『大阪朝日新聞』に連載された小説である。ラジオ放送が始まったばかりの頃で、「新聞やラジオが報道した」との記述がある。また、「吾妻橋付近の貧窟街」や「ふろの焚き口に火を焚べる」など、昭和初期の時代を感じる文言が印象に残った。
殺人事件が発生しているので、変装やらトリックのオンパレードの怪人二十面相シリーズではない。被害者が実は加害者かと思いきや、最後の最後でどんでん返しがあり、最後のページまで犯人が分からないようになっている。これまたWikipedia情報だが、連載の終わった1927年に映画化もされている。