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『水車の四季』

文・室田武、写真・河野裕昭『水車の四季』(日本評論社 1983)をパラパラと読む。
刊行当時ですら、日本の風景から消えかけていた全国各地の水車の写真と解説である。解説を担当した室田氏は、京都大学理学部物理学科を卒業した変わり種の経済学者で、水車の仕事量の計算に着目している。水車の機能は様々で、ハブが回転する力を利用した製粉や稲の脱穀、籾摺りに活用されている。

後半は水車のエネルギーを活用した発電について詳細に説明している。日本独自の螺旋水車を活用した発電など、現在活用が進んでいる小水力発電とほぼ同じ議論が述べられている。著者の視点の鋭さに驚かされる。

「プーケット観光急ぐ」

本日の東京新聞朝刊記事より。
いよいよ世界中でワクチン接種が始まり、今年の後半から盛り返すであろう観光産業が受け入れ整備に向けて動き出しているとの記事である。タイ南部の観光地プーケット島が取り上げられており、ちょうど地理Bで観光を扱っているので取り上げてみたい。

授業の中で、国際観光客数ランキングとして、第8位のドイツまで紹介した。統計集p 108を見れば分かるが、第9位に位置しているのがタイである。ド派手な上座部仏教の仏像や寺院が持て囃されてるのだろうか。

また近年は、風光明媚な風景や歴史にゆかりのある観光地だからといって人が集るものでもない。参加型・体験型のアクティビティや世界遺産、ダーク遺産などの付加価値が求められる時代である。ワクチン接種を観光に繋げる「ワクチンツーリズム」など、安易な発想のように感じるが、観光産業のセオリー通りである。

1位  フランス 8691.8万人
2位  スペイン 8277.3万人
3位  アメリカ合衆国 7961.8万人
4位  中国 6290.0万人
5位  イタリア 6214.6万人
6位  トルコ 4576.8万人
7位  メキシコ 4144.7万人
8位  ドイツ 3888.1万人
9位  タイ 3827.7万人