横山秀夫『64(ロクヨン)』(文春文庫 2015)を読む。
2012年に刊行された本の文庫化である。上下巻でかなりの分量があったが一気に読み終えた。警察内部の刑事と警務の内紛をモチーフとしながら、警察とマスコミの淀んだ関係や、キャリアとノンキャリアの待遇の違い、警察庁と地方警察の歪んだ関係などが丁寧に描かれる。地方の警察でも本部長室は東京だという主人公の皮肉が面白かった。
警察ものであるが、推理小説というよりも、警察署を舞台にした演劇を見ているような感覚だった。
横山秀夫『64(ロクヨン)』(文春文庫 2015)を読む。
2012年に刊行された本の文庫化である。上下巻でかなりの分量があったが一気に読み終えた。警察内部の刑事と警務の内紛をモチーフとしながら、警察とマスコミの淀んだ関係や、キャリアとノンキャリアの待遇の違い、警察庁と地方警察の歪んだ関係などが丁寧に描かれる。地方の警察でも本部長室は東京だという主人公の皮肉が面白かった。
警察ものであるが、推理小説というよりも、警察署を舞台にした演劇を見ているような感覚だった。
本日の東京新聞朝刊に、慶應大の学生らが中心となって、地球温暖化や大気汚染に直結する石炭火力発電のプラント輸出を担っている企業に公開質問状を送ったとの記事が掲載されていた。
火力発電の燃料には大きく石炭、原油、天然ガス(LNG)の3つがある。日本だと10年前まではLNGが火力発電の中心で、石炭火力発電は大気汚染の点からあまり活用されていなかった。しかし東日本大震災後、原発が大きく発電量を減らしたので、すでに操業を止めた石炭火力発電所を再稼動して不足分を賄っている。
石炭火力発電であるが、世界全体の発電量の4割を占めており、総石炭発電量の半分を中国、他にインド、米国、豪州、日本などがランキングの上位に顔を出す。石炭は不純物を含むため、二酸化炭素や窒素酸化物の排出が多い。記事の若者が取り上げる地球温暖化を全面に掲げるならば、石炭火力発電こそが環境悪化の元凶となってしまうであろう。
しかし、私はどうもこの流れに違和感を禁じ得ない。勿論、石炭の代替エネルギーとして再生可能エネルギーを充当するならば異論はない。ただし、あと30年でそれが実現できる保障はない。現在の菅政権は温室効果ガスの排出ゼロの担保として、原子力発電所の活用を提言している。穿った見方かもしれないが、石炭火力発電を悪者にするという意見は、容易に原子力発電の再評価に繋がっていくおそれがある。
中期的には石炭火力発電を即時に全廃するのではなく、古い石炭火力発電所を新しい設備に更新しつつ、温室効果ガスの排出が少ない天然ガスをつなぎとして活用し、再生可能エネルギー100%社会を目指すという形が望ましい。そして、原発こそ即時に停止し、世界全体で廃炉の研究を進めるべきである。
よく分からない文章になってしまった。
ネット配信されている文化系トークラジオLife「2020年、現実化したユートピア/ディストピア」(TBSラジオ 2020年10月25日放送)を聞きながら、ドライブを楽しんだ。
コロナ禍という絶望的状況を予見したような小説や漫画、映画について、芥川賞作家の高山羽根子さんや上智大学の小川公代教授を交えてじっくりと語られる。一方で、コロナだけでなく差別や抑圧といった鬱屈した状況だからこそ生まれてくるユートピア小説や19世紀の社会主義についても話が弾んでいく。
本日の東京新聞朝刊の国際面に、ドイツのメルケル首相の後継者の顔ぶれが紹介されていた。
記事には詳しく書かれていないが、ドイツは日本と同じく議員内閣制を採用している国である。議員内閣制では、通例与党第1党の党首が首相に任命される。自民党だけは党首のことを「総裁」と呼び習わしており、菅内閣総理大臣が就任前に、岸田さんや石破さんを破って、自民党の総裁選に勝利したことは記憶に新しい。
しかし、メルケル首相は2年前に選挙での惨敗の責任をとり、党首の座を下りて残りの首相の任期を全うしたら政界を引退すると表明した。今年の9月に予定されている総選挙に先だって、今月16日にメルケル首相が所属するキリスト教民主同盟の党首選が行なわれる。本来であれば与党第1党のキリスト教民主同盟の党首が内閣総理大臣を務めるのだが、メルケル首相の任期があと半年近く残っているので、今度選出される党首は総理候補として9月の総選挙を闘う力量が問われることになる。
メルケル首相は授業中にも触れたが、EUの盟主でもあり、難民対策でも寛容な姿勢を貫いてきた政治家である。しかし、中東情勢の悪化に伴いEUに流入する難民が急増し、各地で文化や宗教を巡る衝突が繰り返されるようになり、ドイツ国内からの支持基盤も揺らぎつつある。メルケル首相の寛容な態度に真っ向から反対する、排外主義を全面に掲げた右派政党が勢力を伸ばしつつある。
ドイツのドメスティックな話題にはあまり興味はないが、EU全体の方向に影響を及ぼす、9月の総選挙の結果には注目していきたい。
本日の東京新聞夕刊に、茨城県産の「干しいも」が人気だとの記事が掲載されていた。記事によると、茨城県が干しいもの生産量日本一となっている。確か、サツマイモの生産量第1位は鹿児島県だったはずだと、気になってネットで調べてみた。
2019年の農林水産省「作物統計」によると、生産量第1位の鹿児島県は26.1万トン、第2位の茨城県が16.8万トン、第3位の千葉県が9.4万トン、以下、宮崎県、徳島県、熊本県と続いていく。「やはり鹿児島じぇねえか」と思ったが、よ〜く記事を読むと、茨城県は干しいも専用のサツマイモの生産量が第1位ということである。鹿児島県産のサツマイモの半分近くは芋焼酎の原料(黄金千貫という種類)となっている。記事にある通り、茨城県産の「干しいも」は国内で圧倒的なシェアを誇っている。
またサツマイモは、業界では「しっとり系」と「ホクホク系」、「ネットリ系」の3種類に分類されており、現在は昔ながらの紅あずまを代表とする「ホクホク系」に代わって、スイーツのような「しっとり系」の安納芋(鹿児島県産)や、「ネットリ系」の紅あずま(茨城県産)が人気となっている。