月別アーカイブ: 2020年5月

「百貨店売上高7〜8割減」

本日の東京新聞朝刊に、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言を受け、大手百貨店の売上高が激減しているとの記事が掲載されていた。

地理の授業では、食料品や日用品など、安価で、消費者が近くの商店で日常的に購入する商品のことを「最寄り品」、家具や電化製品、高級服など、高価で、消費者が複数の店舗を比較・検討したうえで購入する商品のことを「買い回り品」と習います。最寄り品は販売する店舗が分散しているので、その「商圏(ある商業施設が客を集める範囲のこと)」は小さいが、買い回り品を販売する店舗は駅前や都市中心部に立地し、その「商圏」は大きくなります。

改めて解説するまでもありませんが、「買い回り品」を販売する百貨店は外出自粛の煽りを強く受けることになります。最寄り品は生活していく上に必要なものなので、景気や消費税の影響は受けにくいですが、買い回り品は日常生活に必ずしも必要ないものなので、消費者心理に大きく左右されることになります。

中谷金属工業製 ヘッドリテーナー

自転車の整備で、ヘッドポストの中のベアリングのパーツを注文した。いつか使うものなので、まとめて20個セットを注文した。なにやら駄菓子屋の店先に並ぶお菓子セットみたいな包装で笑ってしまった。

「杉原千畝記念館 存続危機」

本日の東京新聞朝刊に、リトアニアにある杉原千畝記念館が新型コロナウイルス流行のあおりで閉館の危機に陥っているとの記事が掲載されていた。

そもそもリトアニアといってもピンとこない人が多いかもしれない。ロシアとスェーデンに挟まれたバルト海に面した小さい国である。北海道を二回りほど小さくした国で、人口も北海道の半分弱の280万人となっている。隣国のエストニアやラトヴィアと同じく、周囲のドイツやポーランド、ロシアに振り回された歴史がある。1990年にソ連から独立し、2004年にはEUおよびNATOに加盟している。

記事中の杉原千畝であるが、第二次大戦中のリトアニアの日本領事館員の時に、ナチス・ドイツの迫害から逃れようとしたユダヤ人に日本通過のビザを発効し、ユダヤ人の命を救ったということで「東洋のシンドラー」と呼ばれている。リトアニアはソ連に併合され、日本領事館も閉鎖に追い込まれるのだが、杉原は出発のギリギリまでビザを発行し続けた。しかし、その行動は外務省の命令に違反したものだったので、帰国後に杉原は解職されることになった。

日本から遠い国だが、バルト海を挟んだヨーロッパの歴史を語る際には外せない国である。