松本利秋『「逆さ地図」で読み解く世界情勢の本質』(SB新書 2015)を読む。
国士舘大学政経学部政治学科で講師を務める著者が,地図を逆さにすることがから見えてくる大国の思惑や軍事的脅威について語る。
著者は地政学について次のように定義する。
地政学とは地図を基本にして,その地域特有の文化や,民族の歴史,その歴史からくる民族の基本的な発想,政治形態などの情報をインプットして俯瞰するものだ。
著者はイスラム教の説く世界観は徹底した平等であり,かつて平等な社会の理念を説く社会主義に酷似しており,現代の閉塞した時代の中で,若者に魅力的に映るのは時代の現象だと説明する。
後半は,安倍政権の提灯持ちのような内容で,韓国が中国に靡く中で,いつでも核兵器を持ち得る言動を繰り返す日本政府の立場を支持する。いつまで「封じ込め」政策を夢見てんねんとツッコミを入れてしまった。