日別アーカイブ: 2019年9月28日

「サウジ,観光ビザを発給開始」

本日の東京新聞夕刊に,サウジアラビアが観光客を大幅に受け入れるとの記事が掲載されていた。2018年のデータで,日本を訪れた外国人はビジネスも含めて年間で3100万人である。一方,サウジでは2030年に年間1億人の観光客を目指すという。

地理Aの授業で扱いましたが,こうした開放政策の背景には,オイルマネーに依拠する中東諸国の経済政策の変更が影響しています。サウジは数年前までは原油の産出量が世界第1位で,原油価格にも大きな影響力を持っていました。しかし,現在はシェールオイルによって米国が産油国の筆頭となり,世界の原油価格を左右するまでになっています。産油第2位のサウジといえど,原油だけに頼った政治経済政策を行うことができません。

石油や石炭などのエネルギー分野は,地理でも面白いところではありませんが,押さえておくと国際政治や経済が見えやすくなります。受験の有無を問わず,しっかりと学んでください。

「外国籍の1万9654人不就学」

本日の東京新聞朝刊に,全国で6歳から15歳の年齢の外国籍の子ども2万人が学校へ通っていないとの記事が掲載されていた。義務教育を管轄する文科省がこうした調査を行い,報告する意義は大きい。
埼玉県でも700名を超える児童生徒が公立の小中学校へ通っていない。本国の中学校を卒業していても,学齢期の生徒ならば小中学校に通って勉強できるので,まずは地元の市役所に相談してほしい。皆さんの周りにもこのような生徒がいたらご連絡ください。

大学の教職課程で「教育基本法」を学びます。日本史の授業でも扱いましたが,戦後の教育の根幹を定めた法律です。日本国憲法とセットで制定されました。
その第4条に「すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない」とあります。国籍はこの中の「社会的身分」に相当します。国籍や保護者の立場の如何を問わず,十全な教育環境を整備していくことが,公立学校の果たす義務となります。