月別アーカイブ: 2019年5月

『幻のオリンピック』

川成洋『幻のオリンピック』(筑摩書房 1992)を読む。
1936年,ベルリン・オリンピックをボイコットした国で開催が予定されていたバルセロナ人民オリンピックが中止となった背景と結末が説明される。
ナチス・ドイツに反対するオランダ,ベルギー,カナダ,アメリカ,アルジェリア,スイス,モロッコ,ギリシャ,スウェーデン,ノルウェーなど,22の国が選手を送ったのだが,開催直前にスペイン内戦が勃発し中止に追い込まれしまった。
テーマとしては興味深かったのだが,分かりにくかった。

『いま知っておくべきアジアの新知識』

ニュースなるほど塾編『いま知っておくべきアジアの新知識:例えば、中国政府が偽ブランド品を撲滅できないわけとは?』(河出書房新社 2009)を読む。ファッションや食事,宗教など,アジア各国の特徴が分かりやすく紹介されている。参考文献をリライトしたもので,さらっと読み終えたが,何も印象に残らなかった。

「大学無償化 2020年度から」

昨日,クラスに大学予約奨学金の校内説明会が国会の審議の関係で遅れているとの案内を掲示いたしました。 ちょうど,昨日参議院本会議で可決,成立したとのことです。まだ細部まで煮詰まっておらず,これから文科省による無償化の対象となる学校の選定や,申込み方法に関する教員対象の説明会が予定されています。

財源として10月に引き上げ予定の消費税が充てられるとのことですが,これも予定通り実施されるかは確定しておりません。いずれにせよ,生徒の皆さんへの説明も時期が大幅に遅れ,かつ細部については言葉を濁すような内容になりそうです。

国会の議論は皆さん自身の生活に直結するものです。政治に関するアンテナの感度を高めていってください。

「米,対中関税25%発動」

昨日の6時間目の地理Bの授業で触れたところですが,学校では昼休みの時間にあたる午後1時期限の米中交渉がまとまらず,米国が中国からの輸入品に課す関税を10%から25%に引き上げたとのことです。
ちょうど,地理Bでは貿易と経済連携の内容に入っており,ちょうど昨日の授業がEUやTPPといった域内の自由経済圏や域外との貿易摩擦のところだったので,どんぴしゃりのニュースでした。今後,米国と中国のつばぜり合いはますます激しくなると予想される。そうした中に,ロシアやEUの思惑,南アジアやラテンアメリカの政治状況なども絡んできて,国際政治経済はますます複雑さを増してくるだろう。

地理Bの教科書には「北米自由貿易圏(NAFTA)」の文字がまだ載っているが,トランプ大統領就任後,教科書の説明とは実態が大きくかけ離れている。EUではイギリスだけでなく,イタリアやスウェーデンでも離脱の声が上がっており,来年のセンター試験の頃には「ドミノ離脱」が始まっている可能性もある。経済分野は統計データも含め毎年変わっていってしまう。

「正しい」はずの教科書がどんどん古臭くなっていくのは,授業者にとっては辛い側面もある。教科書に書かれていない分を最新のニュース記事で説明しなければならない。。。数千年単位,数万年単位で変動する気候や地質といった自然地理学の方が教えるのも勉強するのも楽だよね(笑)。