関暁夫『ハローバイバイ関暁夫の都市伝説:信じるか信じないかはあなた次第』(竹書房 2006)を読む。
アポロ11号の月面着陸疑惑や徳川埋蔵金などの定番の都市伝説だけでなく,いかにも創作っぽい陳腐な話まで列挙されており,あまりワクワクしなかった。
最後に,アメリカが北朝鮮の核開発をあえて見過ごしているのは,中国を封じ込めるために北朝鮮を攻撃するチャンスを伺っているという,至極真っ当な国際関係論が紹介される。なんじゃこりゃと思ったのだが,それ自体がまさに都市伝説ではないか。
日本は北朝鮮と,その背後にある中国との戦争に巻き込まれていくでしょう。
これを聞いて「そんなおおげさな」と思う読者も多いと思います。でも悲しいかな,そうなりかねないのです。では,なぜ戦争になっていくのか?
それは,後ろでその絵を描いている国があるからです。その国とはズバリ,アメリカです。アメリカは大国・中国を牽制しておきたい。そのためには北朝鮮を抑えておく必要があります。
では北朝鮮と戦う時,基地はどこになると思いますか? アメリカ本土からいちいち戦闘機を飛ばす? そんなワケないですよね。ハワイでも遠い。その時の拠点は,もちろん日本。
横田,横須賀,沖縄の基地から北朝鮮に向けて爆撃機が飛び立つことになるのです。しかし,日本ほど戦争に対する抵抗がある国は世界にはありません。突然そんなことが始まれば,マスコミ,国民こぞって大反対運動が起きるでしょう。日本にはまだそういうムードがあります。でも,北朝鮮が核実験をしているとなれば反応も変わってきます。
それに相手は日本人を拉致した国です。アメリカで横田めぐみさんのドキュメント映画が作られ,公開されているのをご存知ですか? この映画も,ブッシュ大統領が横田さん夫妻に会ったのも,全て日本の世論作りのためでしょう。
実際,アメリカでは横田夫妻とブッシュ大統領が面会したことはほとんど報じられていません。あれは日本向けのアピールだったのです。
大統領と両親が面会したことすら報じられていない国で,めぐみさんの映画が作られ,公開されるのは,どうもおかしな話です。他の意図があるとしか考えられません。北朝鮮の問題は,メディアを使って国民をゆっくりとマインドコントロールするのにうまく使われているのかもしれません。
確かに北朝鮮がやっている事はメチャクチャです。しかし,日本を拠点として戦うために,アメリカが関与していると考えられるのです。
そもそも,北朝鮮が核開発・実験をすることが出来たのは,韓国から流れた資金のおかげだという話があります。
盧武鉉大統領の対北朝鮮の宥和政策(太陽政策)がそれを加速しました。しかもその資金の流れを,アメリカもわかって黙認していた。
わざと流させていたというんです。なぜなのか? それは北朝鮮に核を開発させ,攻撃する口実を作るためです。
加えて,日本の世論をアメリカに都合のいいように変えるためです。そのために何年も前から着々と”仕込み”をしていたワケです。アメリカがここまでやっているというのは,どんどん力をつけている中国を封じ込めるためです。北朝鮮と日本にアメリカの拠点があれば,中国も下手なことはできない。早くから中国を仮想敵としていたアメリカは,じわじわと包囲網を作っているのです。だから北朝鮮が核実験を行ったことは,アメリカに好都合でした。
いや,むしろ喜んでいたのかもしれません。(後略)
この都市伝説が本当だとしたら,先日の安倍総理がノーベル平和賞に推薦するなどのトランプ大統領礼賛も頷ける話である。