中村梧郎『環境百禍』(全国消費者団体連絡会 1989)を読む。
フォトジャーナリストの中村氏は,『母は枯葉剤を浴びた』(新潮文庫)の著者としても知られ,ベトナム戦争で使用された枯葉剤による環境被害を40年以上に亘って伝えている。
本書でも不老川や琵琶湖,宍道湖などの水質汚染,ゴルフ場の土壌汚染,農薬散布による大気汚染など,バブル景気に浮かれていた日本国内での環境汚染をまざまざと伝えている。川岸いっぱいの投棄ゴミやPCB,ダイオキシンなど,わずか30年前の国内の光景が現在の中国と酷似していることに驚かされる。いや,日本のゴミが海外に移転しただけなのか。