テリー伊藤『テリー伊藤の怖いもの見たさ探検隊』(光文社 1997)を読む。
雑誌「宝石」1996年10月〜1997年9月にかけて連載された内容である。
日本全体が平板化されてしまい,都会も田舎も変わらない風景になった現代において,未だに独自の世界観を保ち続ける組織や闇の社会に,「虎穴に入らずんば虎子を得ず」の精神で切り込んでいく。総会屋,交通刑務所,日本相撲協会,警視庁公安部,海上自衛隊護衛艦,自由民主党,現代ヤクザ,東大法学部,草加学会,東京都庁の11の「神秘的な領域」に対し,体当たりで突っ込み,話を引き出していく。公安刑事の給料の安さを嘆くところや岩國哲人氏の持論である「東京埼玉合併論」など,面白い話が多かった。