遅ればせながら、小出裕章『小出裕章が答える原発と放射能』(河出書房新社 2011)を読む。
40年以上にわたって反原発運動に関わってきた京都大学原子炉実験所助教の小出氏が、一般の人から出された質問に答える問答形式で、3.11の原発事故の問題点を明らかにしていく。
何度聞いてもイメージが掴みにくかった、放射能のエネルギーがDNAを含めた体内の分子の結合を引き裂く被曝の実態や除染作業の効果について、具体的な数値を用いながら、先生が生徒に教えるように分かりやすく解説されている。
特に、被曝によるがんの発症率がぐんと下がる50歳台、60歳台の人たちが福島の農産物を積極的に食べ、福島の第一次産業を守るべきだという主張は興味深かった。突拍子もない意見のように聞こえるが、被曝の度合いや基準など正確なデータに裏付けされている主張だけに説得力がある。
『小出裕章が答える原発と放射能』
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