月別アーカイブ: 2015年3月

太陽光発電、抑制幅小さく 企業側試算 電力会社と開き

以下、本日の東京新聞朝刊より

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 太陽光発電に必要な装置を製造する企業などでつくる太陽光発電協会(東京)は五日、太陽光発電の受け入れ上限を超えた場合などに、大手電力会社から求められる発電抑制量の見通しを発表した。東北電力など大手五社が前日に公表した同様の試算は、原発がフル稼働している前提で算出され「大幅な太陽光発電の抑制を求める」との内容になったが、協会側は原発が再稼働しない場合なども想定し独自に試算。抑制を求められるケースは電力会社の試算に比べて大きく減らせる、との結果が出た。

協会側は九州電力、東北電力、中国電力の三社について、管内の太陽光発電所が一年間に発電できる電力量のうち抑制を求められる割合を試算した。三社の中で九電、東北電の二社は四日の経済産業省の有識者会議で、これとは違う独自の試算を公表している。

協会側はまず九電、東北電の二社が設定した前提と同様、すべての原発が再稼働する場合を試算。この条件では、九電は数時間だけの抑制を求める場合でも「丸一日(二十四時間)抑制を求める」としたが、協会側はそのまま「数時間抑制」との前提で計算した。その結果、抑制が求められる発電量は、九電試算の約36%から約15%へと約21ポイント下がった。

さらに協会側は原発がフル稼働しない場合も試算。原発への依存度がフル稼働時より「20%下がった場合」と「40%下がった場合」を算出すると、抑制を求められる太陽光発電量は九電で約5%~8%、東北電で約10~17%にとどまり、電力会社側の試算より少なくて済むとの結果となった。太陽光など再生可能エネルギーの問題に詳しい関西大の安田陽(よう)准教授は、経済産業省が有識者会議で大手電力会社だけに試算を任せた姿勢を問題視。「国は悲観的な数字だけを示すのでなく、より詳細に将来の見通しを説明すべきだ」と話した。

太陽光発電は再生可能エネルギーだから100%永遠に受け入れるというのは、私も少し筋が違うと思うが、この5〜10年は、原子力発電が担ってきた部分を埋めるためにも、国として再生可能エネルギーを重点化させていく時期としなくてはならない。太陽光だけに偏らせるのではなく、風力発電や波力発電、地熱発電、小規模水力発電、バイオマスなどの再生可能エネルギーで十分やっていけるだけの見通しを立てる必要がある。
脱原発の国の基本的な方向性に沿って、もうしばらくは大規模太陽光発電の商業化は奨励されるべきである。近い将来、メガソーラー事業で蓄電まで出来れば、電力会社を全く通さずとも電力を買うことができるようになる。電力会社の管轄内でそうした競争が生まれれば、やがては不効率な原発などどこの会社も廃止せざるを得なくなるであろう。

『エヌ氏の遊園地』

星新一『エヌ氏の遊園地』(講談社ロマンブックス 1971)を読む。
中学校の時に読んで以来だろうか。
いかにも星新一のショートショートらしいサンタクロースや魔法使い、不思議な薬などのSF作品もあったが、意外にも犯罪や仕事のストレス、人間関係など現代社会のテーマを扱った作品の方が圧倒的に多かった。

清水公園

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上の子と真ん中の子がそれぞれ、小学校、幼稚園だったので、下の子を連れて清水公園へ出かけた。
たまには、平日の昼に子どもと二人でぶらぶらするのも良いものだ。
近所の幼稚園の子どもたちも来ており、園児先生ともワイワイと騒いでいたが、久しぶりにのんびりと気晴らしができた。

『小出裕章が答える原発と放射能』

遅ればせながら、小出裕章『小出裕章が答える原発と放射能』(河出書房新社 2011)を読む。
40年以上にわたって反原発運動に関わってきた京都大学原子炉実験所助教の小出氏が、一般の人から出された質問に答える問答形式で、3.11の原発事故の問題点を明らかにしていく。
何度聞いてもイメージが掴みにくかった、放射能のエネルギーがDNAを含めた体内の分子の結合を引き裂く被曝の実態や除染作業の効果について、具体的な数値を用いながら、先生が生徒に教えるように分かりやすく解説されている。
特に、被曝によるがんの発症率がぐんと下がる50歳台、60歳台の人たちが福島の農産物を積極的に食べ、福島の第一次産業を守るべきだという主張は興味深かった。突拍子もない意見のように聞こえるが、被曝の度合いや基準など正確なデータに裏付けされている主張だけに説得力がある。

『風車のある風景』

野村卓志『風車のある風景:風力発電を見に行こう』(出窓社 2002)を読む。
2002年当時の日本の各地にある風車の風景写真や風車の仕組み、風力発電の概要が収められている。
「ほとんどの風車の色は、淡く白っぽい単色が用いられ、背景の中で浮かび上がらない配慮がされています」と筆者は述べるが、写真を見る限り、日本の田園風景の中ではやはり浮き上がって見える。やはり日本では景観的にも騒音対策上も、海上に建てる方がよいであろう。