西武文理大学のパンフレット(2014年度版)を読む。
「西武」と名が付くものの西武グループとは関係なく、「文理」と付くものの文学部も理学部もない
1999年にサービス経営学部サービス経営学科を置き、「サービスを学問する」という一風変わった特徴を掲げて設置された新しい大学である。2007年に健康福祉マネジメント学科が増設され、さらに2009年に看護学部が開設されている。「ホスピタリティ」を重視しており、サービス産業、福祉産業、看護の別を問わず、「おもてなし」の心を持った「接客」のプロの養成を目的としている。
西武新宿線の新狭山駅からスクールバスで8分という不便な場所にある。ただし、同敷地内に中学校と高等学校があるため、スクールバス網は整備され、西武池袋線の稲荷山公園駅、JR青梅線と八高線の東飯能駅、東武東上線の川越駅と鶴ヶ島駅、JR埼京線の川越駅の5つの駅からそれぞれスクールバスが運行している。
パンフレットを読む限り、典型的な国道16号沿いの「郊外型」大学の特徴そのものである。奨学金の充実や取り組みやすいAO入試、秋田県立能代高校のコーチを招聘し指定強化のバスケットボール部、ブライダルプランナーや旅程管理主任者、赤十字救急法救急員などの眉唾な資格、また資格取得援助奨学金、実卒業者より2割も低い就職希望者など、かつて読んできた大学とほぼ同じ内容が網羅されている。また学食のメニューや川越のおしゃれなお店などの紹介写真もすでに定番となっている。
敷地内に狭山市と川越市の市境が通っており、パンフレットでは「狭山キャンパス」と「川越キャンパス(狭山キャンパス隣接)」と2つの住所が併記されている。
サービス経営学部の方は、形だけの共通科目と、ただ配列されただけの専門科目がカリキュラムとして紹介されている。ブライダルや観光の専門学校と大差ない。いやキャンパスの場所などを考えると、専門学校の方が上か。
看護学部の方は、入試でも4倍近い数字があり、新設校の割には幸先の良いスタートを切っている。
さぞかし定員割れをしているのだろうと思いきや、大学全体では収容定員を上回る学生が集まっている。不思議な大学である。