月別アーカイブ: 2012年10月

田中法相辞任

本日の東京新聞夕刊に、田中慶秋法相の辞表提出の記事が一面に掲載されていた。
記事によると、田中法相は就任3日後には外国人献金問題が発覚し、その後に週刊誌が暴力団関係者の仲人を務めた過去について報道されている。その後質問を受ける予定だった18日の参院決算委員会は直前に出席をキャンセル。その欠席の理由は当初に予定になかった日本調停協会連合記念式典への出席だったという。また、19日午後の参院行政監視委員会を都合良く欠席するため、できるだけ遠い出張先を探し、北海道月形町の月形刑務所が選ばれていたそうだ。しかし、19日朝に体調不良を理由に欠席し、そのまま「胸痛、不整脈、高血圧、貧血」で入院し、挙げ句、23日は辞表提出のみで、記者会見も行っていない。

まさに国民に対する愚弄以外何者でもない。マスコミの論調に乗る訳ではないが、このような「スチャラカ大臣」を任命した野田総理の任命責任は免れないであろう。しかし、それを追求する自民党総裁も所信表明の二日後に辞任した安倍元総理である。「目糞鼻糞を笑う」「同じ穴の狢」に過ぎない。こうした与党も野党第1党も信用できない政治状況では、マスコミが誘導する云々の前に、国民の方で第三極やネット右翼に流れていくのも道理であろう。

『ステルス』

金曜ロードショーで放映された、ロブ・コーエン監督『ステルス』(2005 米)を観た。CGを巧みに駆使した戦闘機のアクションシーンは「スゴい」としか言いようがないが、一歩地上に降りると北朝鮮軍との銃撃戦など、1980年代のランボーのようなノリの映画になってしまう。

『新左翼とは何だったのか』

荒岱介『新左翼とは何だったのか』(幻冬舎新書 2007)を読む。
第二次ブント社会主義学生同盟で委員長を務めた著者が、砂川闘争や60年安保、70年代以降の自治会や労働運動、三里塚闘争などの「史実」を掘り起こして、どういった理由でブントや革共同が分裂していったかについて分かりやすく論じている。

読みやすい内容であったが、先日読んだ『新左翼運動』の今後の希望ある展開ではなく、やれ○○派の××がといった「ゴロ話」が多くて少々辟易してしまった。レーニン主義に根ざした共産党と、トロツキズムに思想の根を置く新左翼の違いに始まり、共産党や社会党青年部の分裂から連合赤軍や日本赤軍まで、ほぼ全ての党派について論評が加えられている。また、新しい所では、1999年から2004年にかけての明治大学内における「ゴスペル愛好会」による襲撃事件を巡って、「革労協狭間派と」「革労協赤砦社派」との内内ゲバの様子も述べられている。

現在の自分のような一般の「市民」が読むような内容ではなかった。ただ1966年の早稲田大学における学費・学館闘争での全学ストライキの話は興味深かった。当時の全共闘議長である大口昭彦氏の名前が懐かしかった。

『二代目はクリスチャン』

地上波で放映された、井筒和幸監督・志穂美悦子主演『二代目はクリスチャン』(1985 東宝)を観た。
原作と脚本をつかこうへい氏が務めており、映画というよりも舞台を見ているようなドタバタが続く。喜劇と称していよいのか、悲劇と言ってよいのか、難しい所だが、これといった内容がないにも関わらず、最後まで観客を釘付けにする役者さんたちの熱のある演技が印象的であった。

『水族館の通になる:年間3千万人を魅了する楽園の謎』

中村元『水族館の通になる:年間3千万人を魅了する楽園の謎』(祥伝社新書 2005)を読む。
先日、鴨川シーワールドに出かけ、シャチやイルカの見事なショーの舞台裏が知りたいと思い手に取ってみた。鳥羽水族館にてアシカトレーナーを経て、新・鳥羽水族館や新江ノ島水族館のプロディースを手がける著者が、水族館の不思議について分かりやすく語る。魚の移動や餌の調達などの舞台裏話から、飼育係になる方法やイルカやアシカの演技指導の方法など興味深い話ばかりで、一気に読んでしまった。