TBSニュース23製作スタッフ編『対論・筑紫哲也 このくにの行方』(集英社 2003)を読む。
ずいぶん前から本棚に鎮座していた本であるが、タイトルが気になって手に取ってみた。2002年8月から2003年9月にかけて放送された番組内容に補筆、加筆を加えて構成されたものである。キャスターであった故筑紫氏が、カルロス・ゴーン日産自動車CEOや養老猛司氏、加藤周一氏、緒方貞子さんなど8人の論客を相手に、経済・社会・政治・教育・文化など様々な面における日本の可能性を問うという形で進行していく。
この手の話は、日本の将来を悲観的に捉え、現状の問題点を指摘するという結論に流れやすい。しかし、この本では「日本的経営」や「ものづくり」「芸能文化」などで、日本は秀でた業績を残しており、グローバルな視野持ちつつも、自信を持って伸ばしていけばよいと述べられる。