第23回吉川英治文学新人賞を受賞した、大崎善生『パイロットフィッシュ』(角川書店 2001)を読む。
大学生の頃の初々しい恋愛と、それから19年後の40歳を過ぎて再び動き出した人間模様が交互に展開される。不器用な主人公の私は、学生時分から20年を経て、やっとその距離から現在の自分の置かれた位置を再確認する。
数年前に観た大林宣彦監督の映画『22歳の別れ』を彷彿させる作品であった。何故だか理由は分からないが、私はこの手の作品にどうしようもなく惹かれるようである。
『パイロットフィッシュ』
コメントを残す