19日夜(日本時間20日未明)に、初代のEU大統領(欧州理事会常任議長)にベルギーのヘルマン・ファンロンパイ首相(62)、外相(外交安全保障上級代表)に英国元上院総務のキャサリン・アシュトン欧州委員(53)らが、それぞれ欧州連合(EU)の緊急首脳会議で選出されたとのニュースが流れた。
この麻雀の役のような名前のベルギー首相に決まった背景には、イギリスの主導権を抑えたいドイツやフランスの影響があったようである。このニュースを聞いて、地域統合のパワーバランスにおける「大陸」の強さを感じた。鳩山首相も「東アジア共同体構想」を掲げているが、EUにおけるイギリスと同様に、島国が主導権を握ることに対して大陸の国家は潜在的に不快感をしめすのではないだろうか。
歴史を紐解いてみても、時の日本政府のアジア政策において、日本は島国であるという決定的な視座が欠けてきた。「東アジア~」もEUをじっくりと研究して、経済や政治だけでなく、言葉の壁、歴史認識の壁、宗教対立の壁を乗り越えて、それぞれの地域が独自性を維持しながらも、環境や平和を軸に共存できる道を模索するべきである。その道はEUをじっくりとよりも長く困難であろう。