夜遅くなってから、マイケルジャクソン主演映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』(2009 米)を観に行った。
ライブ映像をつなぎ合わせてまとめただけの映画なのかと思っていた。が、予想は見事に裏切られ、音の一つ一つやダンスの細かいタイミング調整まで、スタッフを気遣いながら指示を出していくマイケルジャクソン氏の人柄に改めて惚れてしまう素晴らしい映画であった。改めて「キング・オブ・ポップ」という彼の称号が誇大宣伝でなかったことを実感した。
日別アーカイブ: 2009年11月13日
東京新聞夕刊から
今日の東京新聞夕刊に、京都市立堀川高校長の荒瀬克己さんのインタビュー記事が掲載されていた。
堀川高校は堀田力氏や葉加瀬太郎氏などを輩出した伝統校である。荒瀬氏が98年に教頭として赴任して以来、生徒がテーマを決めて研究、論文にまとめる授業を取り入れる改革が始まり、その結果、最難関大学に数十人の合格者が出るようになり、「堀川の奇跡」と呼ばれている。
発言の一つ一つが大変印象に残った。
高校は大学の予備校ではないという反発もあった。高校は義務教育から続く教育の完成でもある。集団の中で個を磨くのは高校まで。高校三年の最後のホームルームは人生で最後のホームルームでもある。
例えば堀川では文化祭を三年生含めて二カ月も準備をしてやる。生徒たちはいいものをつくろうと毎日遅くまで残る。そうした集団の中で個が成長していくことにつながる。行きたい大学があればそこへ行って勉強するのも大切な幸せで、教師としてはかなえてやりたい。結局よく学びよく遊ぶのが大切なのです。
生徒に接するときには何を考えていますか。
生徒には生徒の都合があるということ。生徒の価値観、考えを無視する形で指導しても納得してもらえない。そして生徒と話をする。問いかけが大切。生徒は本人も知らない力を内包している。それを気づかせるきっかけの一つが問いかけ。もうひとつは大人の姿勢を見せること。どういう場面でどういう判断をするか、生徒に見られている。それを意識しないで生徒に接するのは怖いですね。堀川高校の常任講師のあと、市立工業高校に国語教師として勤めていた時のこと。古典の文法の時間に生徒から「これやってなんぼになるんですか」と聞かれて、きちんと答えられなかった。工業高校なので機械の勉強などは将来の役に立つ。文法の授業はそうした意味では役に立たない。「知らないことを知るのはいいことだ」と言うのが精いっぱいだった。今なら違う答えをする。「学ぶとは、分からないものに立ち向かう方法を身につけることだ。文法の授業もその方法の一つだ」と。