月別アーカイブ: 2009年8月

本日の東京新聞夕刊より

本日の東京新聞夕刊の一面トップに、自民、民主の二大政党対決が最大の焦点となっている今度の衆院選で、憲法9条の改正に反対してきた護憲派の政党が消えてしまうという有権者の悩みについての記事が掲載されていた。
その記事の中で、司法試験塾塾長の伊藤真さんの話が目を引いた。正論ではあるが、果たして伊藤氏の述べるように、社民党が政権内与党として確たる地位を発揮できるだろうか。自社さ連立政権の同じ轍を踏まないよう期待したい。

民主党には先制攻撃論を唱える議員もおり、投票しても大丈夫か不安に感じている護憲派は多い。二大政党制になって社民党が消えてしまわないかと(投票に)迷っている人もいる。そうした人には、仮に民主党政権になっても社民党が重要なポジションにつき、政権の中で役割を果たすことが大事だと話している。民主党の改憲派に、社民党が歯止めを掛けていくのが現実的だと思う。

『夜回り先生』

水谷修『夜回り先生』(サンクチュアリ出版 2004)を読む。
定時制高校の教員を務める傍ら、12年間に及んで深夜から明け方にかけて中華街の「夜回り」を続けた著者の思いがぶつけられている。
月並みであるが、「こんな教師がいたのか」という驚きを感じた。覚せい剤や暴走族、援助交際などに流れてしまう少年少女に対し、正面からぶつかり、長い時間かけて更正へと向かわせる。著者は完全な性善説に立ち、全ての子どもたちは良く生きようとする可能性を持っていると述べる。そして、そうした子どもの可能性を奪ってしまう社会や教育、大人たちに厳しい批判を投げかける。

今、姉妹はまだまだけんかを続けながら、生き合っている。しかし、それを知らせる二人からの電話の声は明るい

という一節が印象に残った。人は全て「生き合っている」のである。。。

『運転士』

第107回芥川賞受賞作である、藤原智美『運転士』(講談社 1992)を読む。
秒単位の時間や細かい規則にガチガチに縛られた地下鉄運転士の抱える内面の衝動を、カバンに閉じ込められた少女、巨大なコピー機、バルーンなど象徴的なイメージで描く。
いかにも「純文学っ」といったテイストのある作品である。しかし、場面転換が多く、細かい状況描写が続くので、読みにくく感情移入のしにくい作品であった。
表題作の他、コンピュータ制御された養豚場を舞台とした『王を撃て』が収められている。

パンフレット研究:上武大学

上武大学のパンフレットを読む。
1968年に群馬県伊勢崎市に開学した新しい大学である。
「雑草精神」を建学の精神とし、「たくましく社会に役立つ人を養う」ことを目標に据えている。
現在ではビジネス助法学部、経営情報学部に看護学部の3学部規模に至っている。経営情報学部は会計ファイナンス学科、アジア地域ビジネス学科、スポーツマネージメント学科から成り、経営情報学部は経営デザイン学科、メディアマネジメント学科の2学科から成る。
テニス、陸上、野球、サッカー、バスケットボールの6つの部活動が強化クラブに指定され、全国からスポーツ特待生を受け入れ、大学の宣伝に一役買っている。
一般入試よりもスイセン入試やAO入試の方がはるかに募集人数が多い典型的な新興私立高校スタイルを踏襲する郊外型大学となっている。

「論理エンジンと小論文」

本日は小論文指導に関する研修で大久保に出かけた。
教育プロデューサー出口汪氏の「論理エンジンと小論文」と題した講演を聴いた。小論文の本質は、他者の視点に立って、物事の道筋を立てて説明する力であり、国語に留まらず学校全体をあげた広範な読解力の育成がベースになるという話であった。

途中、JR山手線の新大久保から中央線の大久保駅まで歩いた。周辺の大きな開発の波に取り残されたかのように、アジア的な猥雑な雰囲気は昔のままであった。