日別アーカイブ: 2009年5月15日

『新聞がなくなる日』

歌川令三『新聞がなくなる日』(草思社 2005)を読む。
元毎日新聞の記者が、韓国や米国での新聞の衰退とネットの普及の現状を紹介しながら、あと20年近くで日本でも紙の新聞は消え去り、インターネットを通じたジャーナリズムのみが生き残ると占う。
米韓では、紙の新聞は「老壮年」「保守派」、一方でブログなどの電子ジャーナリズムは「若者・盛年連合」「左翼」といった棲み分けがなされ、社会変革や政権交代の大きな原動力になったと著者は肯定的に述べる。
しかし、日本では紙の新聞は「戦後民主主義」「左翼」であり、「2チャンネル」を代表とするネットでの発言は「民族主義」「新右翼」的な体質となりやすい。ここには日本の新聞社の良識や日本人のインターネットリテラシー、日本語自体の問題など様々なファクターが絡んでいそうだ。