二葉亭四迷『浮雲』(岩波新書 1941)を読む。
現実の多忙な日々のストレスを忘れるような小説が読みたいと思い、大学時代の近代文学のテキストとして購入した『浮雲』を読み返してみた。100年以上の明治時代初期の話であるが、主人公の文三と共通する引っ込み思案なくせに妄想癖のある自分の嫌な性格が自覚させられ、あまりストレス解消とはならなかった。内容的には中途半端な片思い小説であるが、今から120年前に書かれたとは思えないほど人物描写が活き活きとしているのは驚きである。
『浮雲』
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