一昨日の日本シリーズで中日ドラゴンズが53年ぶりに日本一に輝いた。
ドラゴンズの親会社である中日新聞系列の東京新聞を読むと、スポーツ欄は見開き2面いっぱいに8回を完璧に抑えた山井投手や岩瀬、荒木、ウッズの写真が溢れている。その中で日本シリーズの最高殊勲選手(MVP)を受賞した中村紀洋選手のインタビューが心に残った。彼は今年の1月にオリックスを解雇されてから、学生アルバイトを相手に練習を続けながら移籍先を探し、中日ドラゴンズに年収200万ぐらいの育成選手として入団した選手である。まさに底辺から再出発し、開幕からレギュラーとしてヒットを打って活躍しても、「なんとかしてユニホームを着たい」という春先の気持ちを持ち続け、見事優勝という栄冠を勝ち取った。優勝のお立ち台では「もう、最高です。うれしい。1月からいろんなことがありましたけど、本当にドラゴンズさん感謝しています。本当にありがとうございました」と感謝の謝辞を述べた。そして、彼は「一度、リストラされても、なんとかしようと必死にやれば、いつか結果が出る。自分が示して、そんな人に励みになればと思った」と語る。
私も2月から彼を応援していたが、このような良い結果で終わるとは想像も出来なかった。就職氷河期世代で同じ年齢のピークを過ぎた30代半ばのスポーツ選手が再チャレンジして活躍する姿というのは勇気を与える。21歳のダルビッシュの熱投が光ったシリーズであったが、中村ノリの来年以降の活躍を祈念したい。